29話 ページ29
骸、と子を宥める親のように、静かに、柔らかな声で。
大丈夫だと、安心してと言い聞かせるように口を開いた。
「また会える。今は少し離れてしまうけれど……二人を守っていて。信じていて。必ず、会いに行くわ」
私は、上手く笑えないから、ただ、こうやって抱きしめる。
頭と背中を撫でてあげながら、安心するまで何度も。
「……約束ですよ」
「うん」
「……絶対ですよ」
「うん」
「……信じて、いますから」
「うん……」
暫く経ってすみません。となぜか頬を紅潮させ、彼は私から離れた。
そして私は彼の後ろにいた少年達に目を向ける。
おそらく久しぶりに走ったせいだろう、肩を上下させ、息を整えながら私を見ていた。
「君達、名前は……ある？」
随分失礼な言い方だ。けれど今は時間がない。早く済ませないと。
少年達は顔を見合わせて、恐る恐る、というように私の顔を見ながらないと答えた。
そう、と呟いてから軽く自己紹介――といっても名前を言っただけだが――をして少し考えたふりをする。
「君は城島犬。そして君は柿本千種だ」
指をさしながらゆっくりと。
特に印象付けられはしなかったが、初めて親以外から貰った――親から名前を貰ったかは定かではないが、とりあえず貰っていたということにしておく――名前だ。それだけで、印象深いものとなるだろう。
彼らは自分の名前を数回復唱して、私の顔を再び見る。どうやら覚えたらしい。
「それじゃあ、骸、犬、千種」
「……はい」
「……はい、びょん」
「……」
私は彼らに背を向け、闇の中を駆けた――。
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杏 - いえいえー当然の事を言っただけですー喜んで貰えて光栄ですよー それと､音域を広げる練習､頑張ってくださいー諦めずに頑張れば報われるはずですからねー ふむ､来月ですかーコトハ@白亜さんの小説は奥が深いのでーワクワクしますねー楽しみにしてますー (2015年8月21日 12時) (
レス) id: 7c8a29757a (このIDを非表示/違反報告)
コトハ@白亜(プロフ) - 杏さん» 返信ありがとうございます。そう言っていただけると作ってよかったと思えます…ありがとうございます。なるほど、その方法がありましたね…早速試してみようと思います。アドバイスありがとうございます。せめて再来月までに公開できるよう頑張ります…！ (2015年8月20日 18時) (レス) id: 5c05607229 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 大丈夫ですー､ミーも返信遅くなってすみませんー 気に入った作品にコメントするなんて当たり前じゃあないですかー 音域が狭い､ですかーピアノで音を取ると結構出やすいですよーあとは､歌いたい曲を練習してー音域を広げるのもいいと思いますー 続編､待ってまーす (2015年8月20日 15時) (レス) id: 7c8a29757a (このIDを非表示/違反報告)
コトハ@白亜(プロフ) - 杏さん» 返信ありがとうございます、遅くなってすみません！わわ、続編までコメントいただけるんですか…ありがとうございます！嬉しいです！音痴というか出せる音域が狭いんですよね…なので歌が上手い人羨ましいのです… (2015年8月19日 0時) (レス) id: 5c05607229 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - はいー､頑張って下さいー続編出来るまで此処を見に来たりしましょうかねー 一番に作品を見に行ってコメントしたいですー…音痴?そんなのカラオケが悪いんですー声の質は様々じゃないですかー (2015年8月17日 11時) (レス) id: 81089b7519 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コトハ | 作者ホームページ：
作成日時：2014年6月13日 17時
