17 ページ17
…
「もー!2人してなんだよ!すごいびっくりしたじゃん…」
「ごめんって、そんなびっくりすると思わなかった…」
「ほんと…すみません…まさかこの世の終わりみたいな顔されると思わなかったんです…」
「そんなに俺びっくりしてたの!?」
「…正直こっちがびっくりしたよね…」
「ええ…ごめん… 」
「いや待て明日人悪くなくないかこれ…」
笑い声が廊下を谺響する
万作と合流し、1度部屋へ戻る途中だ
「じゃあ俺向こう側なので」
「うん!一星また後でね!」
「「後でな〜」」
「はい!」
3人で手を振る 一星が見えなくなってから歩き出した
「そういえば2人とも一星と仲良かったっけ?」
「いや!さっき知り合ったばっかりだよ!」
「話したのも初めてだな」
2人は顔を見合わせて言った
「…絶対何か隠してる…」
「そんなことないよ、ほら早く着替えないと遊ぶ時間減っちゃうぞ」
「遊ぶって… 試合のビデオ見るんだろ…」
「分かったよ… じゃあ後でね!」
俺は部屋に入った。
(…あ!そういや俺一星にハンカチ返してない…)
ポケットには彼のイメージと同じ濃い青のハンカチがある
(後で渡すより…なるべく早い方がいいかな?)
俺はもう一度部屋の扉を開けて、一星の部屋がある方へ向かった
…
こんなにも人と話したのはいつぶりだろう
俺は廊下をゆっくり歩く
思えばここに来て笑ったのも初めてのような気がした
自分の部屋の前に立ち 扉に手をかけた
「おい、」
…低く、脅す様な声
この前も聞いたばかりだ
…楽しかった気分が一瞬で地に落ちる
あーあ、せっかくいい気分だったのにな
「なんでしょうか、灰崎君」
俺は振り返らずに声を少し高くして煽る様に言った
案の定彼は舌打ちをして俺のジャージを掴みあげる 相変わらず単純だ
「てめー…次は何のつもりだ…」
彼の赤い瞳は怒りで満ちていた
どうして"今"そんなに怒っているのか、原因がさっぱり ……ふと、ひとつ思い当たった
こんなにも不利な体勢なのに自分の勝利を確信する
俺は自分を掴みあげている灰崎の顔を見て、口角を上げた
「…ッ…」
胸ぐらを掴み上げる力が強まった
彼の苛立ちが増したのがよく伝わる
俺は対抗するように彼の目を睨みつけながらながら口を開いた
9人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Rein | 作成日時:2018年11月19日 3時