【イナイレ】冷酷に、無情に【第三章】

第１２１話　炎のサッカー ページ26

翌日、立ち直った円堂と退院した吹雪が再びチームに合流し



瞳子「皆聞いてちょうだい。沖縄に炎のストライカーと呼ばれる人がいるそうよ」


「「！！」」


円堂「炎の…まさか、豪炎寺！！」


鬼道「行こう！」


円堂「よぉし、待ってろ沖縄！！豪炎寺！！」


坂本(やはり、もう嗅ぎ付けられたか…)



“豪炎寺”と聞き、幼馴染であるAは再会を喜ぶはずが

予想とは逆に、どこか険しい表情


それを見て鬼道は彼女にまた疑問を抱く


思い返せば、奈良で豪炎寺が離脱した時も

Aは感情を露わにせず、引き留めもせず冷たい態度だった


それに、彼女ほどの情報収集力があれば

炎のストライカーの噂など当に知っていてもおかしくはない


まるでその人物と会う事を望んでいないかのようなAに、鬼道は目を鋭く細めた



瞳子「坂本さん、私は一足先に沖縄へ向かうわ。一緒に来て頂戴」


坂本「分かりました」



瞳子とAは、その日の内に沖縄へ向かい

雷門イレブンは翌日の出発だ



瞳子「…貴方は、噂のストライカーの正体を知っているのかしら」



豪炎寺が離脱した理由をAは知っている

というのも、彼の離脱を手引きしたのがAだからだ



坂本「確かに、 “彼”は沖縄にいます。ですが今の彼が、わざわざ噂になるような目立つ行動はしないと思います」


瞳子「なら彼とは別の誰か、という事？」


坂本「確証はありませんが、そう考えてもいいかと。それに、もし本人だったとしても…」


瞳子「まだ、会せるわけにはいかないわね」


坂本「えぇ。一応鬼瓦さんに連絡はとっておきました、彼には今はより一層姿を隠すようにしてもらっています」


瞳子「そう」



だがAは１つ、ある不安点を抱いていた



瞳子「どうかしたの？」


坂本「…噂の彼が、本人だったとして…雷門イレブンはその噂の人物を見つけるまで、沖縄を離れないのでは。と」



そうなってしまえば、彼が見つかってしまうのは時間の問題だ

瞳子にその不安点を伝えた後、Aは１つの案を思いつく



坂本「まぁ、もしそうなったら俺に任せてもらって大丈夫です」



いざとなれば、顔を隠し自分がその噂の人物として彼らの前に現れればいい

単純だが、雷門イレブンを納得させるにはうってつけの手だ


…炎のサッカーを見せろといわれたら、困るのだが



瞳子「…分かりました。貴方に任せるわ」

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