好きなのに

痛み ページ5

私はいつものように学校へ来て、いつものようにサボっていた

あの日以来、猿比古とは溝が出来たような感じがした

いつもはあんなことしても怒らないのに…

チャイムが鳴って、雲行きが怪しくなってきたので、お昼は教室で食べようと思った

教室に一人で向かい、机にお弁当を広げた

何しながら食べようかな、と思いSNSを開いた

まあ、なんかの更新情報でも見よう、そう思った時教室の扉が開いた

男「伏見！朝比奈が呼んでるぞ！」

その瞬間、女子たちが
「きゃあ！告白だよ、きっと！！」とか
「朝比奈さん、やる！」と騒ぎ出した

まさか、と私は思ったけど彼はモテるのだ

そういう事があってもおかしくはないだろう

そして、猿比古は行ってしまった

私はものすごく、いやな予感がした



そのあと、風のうわさで聞いたこと

猿比古はその、朝比奈栞さんと付き合うことになったと。

私は、どうして先に言わなかったのかと、後悔した

私の方が近くて、いくらでも言えるチャンスがあったのに

いや、でも、先に行っても断られていたかもしれないな

でも、その話を聞いた時、胸にさし焦がすような痛みが走った

私が先に言ってれば、何か変わったのかな

私はその日から、猿比古を避けるようになってしまった

避けたかったわけではなく、猿比古を見ると胸が痛くなったから

自然と足が遠のいた

屋上に行くのもやめてしまったし、帰るときも時間がかぶらないように一人でそそくさと帰った

そしていつしか、美咲をも避けるようになってしまった

私は…

猿比古の気持ちが知りたい

彼は私の事はどう思っていてくれたのだろうか

　

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