【イナイレ】冷酷に、無情に【第五章】

第１８２話　シャッター ページ26

吹雪「A、ここはこれだけじゃないんだよ」


坂本「え？」



しばらく川沿いに歩いていた二人だったが、道の先に開けた場所が見え

そこに辿り着くと、目の前を花びらが舞う。


視界に広がる青空を遮るものはなく

その空の下で太陽の光を浴びて靡くのは、色とりどりの花


先ほどまでずっと横を流れていた川もここに続いており

まさに天国のような場所だと、Aはその絶景に目を奪われていた



吹雪「綺麗だね」


坂本「うん…凄い……」



吹雪が下調べして選んだ甲斐があったようで

まさにこういう場所が好きらしいAは、横髪を耳にかけながら微笑みを浮かべる


そんな彼女を見て、吹雪は連れてきてよかったと満足気



吹雪「行こう」



優しくAの手を引き、花畑に作られた道を歩いて行く


美しく咲く花や、それに集まる蝶々を見たり

飛び出した石に飛び移りながら川を渡ったり

その先にある池の中を覗きこんだり


池の鯉を眺めるAに、そっと携帯のカメラを向ければ

それに気づいたAはこちらを見て笑った



吹雪「！」



シャッターをきると同時に、顔を真っ赤にする吹雪

そして参ったといわんばかりに手で顔を覆う


一方のAは、そんな吹雪を見て首を傾げるも

立ち上がり、吹雪の手をとって“行こっ”と上機嫌で足を進めた


行きの時とは真逆だ

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