第3話 ページ3
you side
鍵はペンケースの中。
部屋の中には隠さなかった。見つけられると困るから。
一番大切なグッズだから。絶対に手放したくなかった。
だから、ここに隠していた。
開ける時はできるだけ音を立てないようにしないと…と思いながら鍵を取り出した。
これ以上グッズが減るのはごめんだ。
といっても本当にあるかは分からないけど。
まるでシュレディンガーの猫…
ガチャ――
静かな部屋の中に、鍵を開ける音が響く。
引き出しを開け、目に飛び込んできたのは。
いつも通りの光景だった。
――引き出しの中のグッズは見つかっていなかった。
良かった、そう安心し座り込んだ。
もし。これが無くなっていたら…その後…
いや、こんなことを…その後を考えるのはやめよう。
グッズが無くなったとしても…やっぱり志麻さんは好きだし、好きなネッ友、親友がいる。
この日は、今日あったことばかり気にしてすぐに眠れなかった。
しかし、寝てからはあっという間。すぐに朝が来た。
「おはよう。」
『おはよう、お母さん。お父さんは?』
「もう仕事行ったの。」
『そう。』
そんな会話をして、朝食を食べて…
twitterを開こうとした。
でも、なんだか嫌だった。
もう何もしたくない。
あれ…私…病んじゃったのかな…
グッズを失ったと言っても、大切なグッズ以外なのに。
そんなにショックだったのだろうか――?
しかし、分かることが二つ。
それは――
何もしたくない。
推しの声すら聞きたくない――。
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ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2021年11月18日 19時) (レス) @page40 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
玲華(プロフ) - 蜜柑さん» ありがとうございます!そうだったんですか!?嬉しいです…本当にありがとうございます…! (2020年7月13日 17時) (レス) id: 3ea7e362ea (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 完結おめでとうございます!この作品、最近見た作品で1番好きで、更新楽しみにしておりました!これからも無理をなさらず、素敵な作品を作っていただきたいです!(`・ω・´)お疲れ様でした! (2020年7月12日 8時) (レス) id: e405411bb6 (このIDを非表示/違反報告)
玲華(プロフ) - きむちさん» ありがとうございます!そう思ってもらえて良かったです。更新頑張ります! (2020年5月5日 16時) (レス) id: 3ea7e362ea (このIDを非表示/違反報告)
きむち - 初コメ失礼致します。とても面白い?です!本当にこの物語の主人公になっている気分で楽しいです!これからも更新頑張ってください!陰ながら応援させていただきます!長文失礼しました! (2020年5月5日 14時) (レス) id: 72534f9fb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玲華 | 作成日時:2020年4月27日 17時