第2話 ページ2
you side
「でもね?A。こんな物は勉強に必要ない。どうしてこんなにあるの知らないけど…必要ない物だから捨てるわね。」
こんなに、って。そんな多くないよ。バレたくないから最小限にしてるんだから。
もっと多い人いるから。
と、心の中で呟く。しかし、実際にそんなことを言っても無駄なのだろう。
ただ――
私の意見は全く尊重しないんだね。
このことだけは、誰にも分からないぐらいに小さな声で言った。
"母に反論されたくない"という思いを持っているにもかかわらず、そう呟いた理由は、この意見が母に届いて欲しかったから、という気持ちが心のどこかであったからだろう。
「なんですって?あなたはさらに勉強して、良い大学入ってもらわなきゃいけないのよ?」
…どうやら母は聞こえていたみたいだ。それにしてもまた勉強か。
ほんと馬鹿げてるよ。学歴だけ気にするとか。
溜め息をつきそうになるが、ギリギリのところで止める。
「あぁ、あと。これにお金を使うんじゃなくて。勉強に使いなさい。」
私…もう死んでもいいかな。友達もそんないない。親には勉強を強要される。
この人生、ほんとつまらない。
「何を言っているの!?友達がいないのはAのせいでしょう!?勉強の強要なんてしてないわ!」
『……』
しまった。声に出ていた。今回ばかりは、声に出したくなかったのに。
そもそも、友達が少ないのは私のせいじゃない。休み時間も勉強してるんだから。話す人もいない。
親友とは高校違うし…私が難関高校に受験したせいで。
全てはお母さんのせいじゃない?
この一言を言って、去ろうと思い母と目線を合わせた。その時。
「何か言いなさいよっ!」
パン――
『っ…』
その音を、私の声の正体は。
それは、平手打ちされたからだった。
理不尽だよ。
なんでこんな家庭なのかな。
お母さんも、数年前はこんな人じゃなかったはずなのにな。
『それ、捨てていいよ。これからは勉強に関係ないものは買わないから。』
「あら。そう言ってくれると信じてたわ。それじゃ、処分するわね。」
試しに言ってみた。半分本気だが。――この態度の変わり様、もう凄いとしか言えない。
さようなら。私の大切なグッズ。
もう…
むしろ、会えないよ…
……そうだ。鍵がかかっている引き出しにグッズが入ってる…
見つかってないといいな。
1番大切なグッズがしまってあるから。
.
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ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2021年11月18日 19時) (レス) @page40 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
玲華(プロフ) - 蜜柑さん» ありがとうございます!そうだったんですか!?嬉しいです…本当にありがとうございます…! (2020年7月13日 17時) (レス) id: 3ea7e362ea (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 完結おめでとうございます!この作品、最近見た作品で1番好きで、更新楽しみにしておりました!これからも無理をなさらず、素敵な作品を作っていただきたいです!(`・ω・´)お疲れ様でした! (2020年7月12日 8時) (レス) id: e405411bb6 (このIDを非表示/違反報告)
玲華(プロフ) - きむちさん» ありがとうございます!そう思ってもらえて良かったです。更新頑張ります! (2020年5月5日 16時) (レス) id: 3ea7e362ea (このIDを非表示/違反報告)
きむち - 初コメ失礼致します。とても面白い?です!本当にこの物語の主人公になっている気分で楽しいです!これからも更新頑張ってください!陰ながら応援させていただきます!長文失礼しました! (2020年5月5日 14時) (レス) id: 72534f9fb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玲華 | 作成日時:2020年4月27日 17時