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どうにかオッチャン達から彼女を守れないだろうか？と、俺は次の日から何気なーく彼女を電車の端っこに追いやるように電車に乗るようになった。
後ろから押されてんだよーって空気を出して、彼女をグイグイ端っこまで追い込む。
で、俺が足を踏ん張って壁になる。
そしたら、彼女の周りにちょっとだけだけど空間ができるんじゃないか？と思って。
そんな空間が出来てるのかも、ちゃんと守れてるのかも、彼女にしか分かんないんだけど自己満足。
そうやって電車に乗るようになって、暫くした頃。
卒アル委員に選ばれちゃって、その会議で遅くなった日。
「腹減ったぁ...」
もうすっかり夜になった駅から、電車に乗ると
「あ...」
彼女が、目の前に座ってた。
あっちも俺に気付いたのか、少し背筋を伸ばしてペコっと頭を下げてくれた。
彼女の隣は空いてるけど、いつもと違う時間に会ったってだけで嬉しいのに妙に恥ずかしくて
ちょっとだけ斜め前になる位置に座った。
朝とは比べ物にならない位に、スッカラカンな電車。
カタンカタン...と電車の音。
スマホを弄って、興味の無い振り。
本当は、今がチャンスじゃないの！？ってウズウズしてる。
でも動けない。
もう。俺の意気地無し...。
電車に揺られて15分。
最寄駅に着いて立ち上がったら、彼女も立った。
そっか、同じ駅で降りるんだった。
家、どっちなのかな。
俺んちと近いのかな。
...喋りかけても良いかな...
そう思いながら、定期をピッ。
改札を出て、歩く。
...このまま帰って良いのか？
...ダメだよ！今、喋らなきゃ！
思い切って振り返ると
「うわっ！？」
「えっ！？」
彼女が、思ってた以上に真後ろに居てちょっとぶつかった。
「ごめっ...！」
「あ...」
「えっと...」
「私、アナタにお礼がしたくて...」
「お礼？」
「あ！勘違いかもしれないから、やっぱり良いです！ごめんなさい！」
彼女が歩き出したから慌てて手首を掴む。
「俺っ！毎朝、キミを守れてる！？」
「...え？」
「キミが潰されたら大変だと思って、壁になってるつもりで...えっと...」
「...はい、守って貰ってます。そのお礼がしたかったんです」
彼女がニコーって笑った。
その笑顔が超可愛くて
「好きですっ！」
無意識で、完全に口が滑ったってやつで。
あぁ...最悪だ...
そう思ってたら
「...お名前から、教えて下さい」
彼女が、頬を真っ赤にしてまた笑った。
それが、今日のコト。
・・・・・END・・・・・
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作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時：2017年2月22日 17時
