不安 ページ6
『また寝てた...』
どうやらまた寝ていたみたいで、私は今朝と同じようにアンドルーさんの部屋を見渡しながら起き上がる。
『あれ？』
でもそこにアンドルーさんはいなかった。
...どこ行ったんだろう？
『出掛けたのかな』
あの引きこもりな(と言ったらキレられそう)アンドルーさんが1人でどこかに行くのは珍しい。
『いや、そもそも出掛ける時は声かけろ、なんて約束もしてないし...』
ま、そりゃ自由にどこか行ったりするよね。
私はそう思いながら自室に戻ろうと、アンドルーさんの部屋を後にした。
＊
自室に戻る途中、飲み物が欲しくて売店に立ち寄る。
この売店は品数が多い。1年前めちゃくちゃ飲んでいたオレンジジュースがついに入荷されなくなった(多分私が飲み尽くした)のを除けば、品揃えは概ね満足である。
私のオレンジジュース...。
そんなことを思い出し虚しくなりながら売店に向かっていると、視界の隅っこで白い大きなものが見えた。
『(あ...)』
私は別に悪いことをしている訳では無いけれど、咄嗟に物陰に隠れてしまう。
__その"白い大きなもの"はアンドルーさんで、彼は女の人と一緒にこちらへ歩いてきていたから。
『(だ、誰？)』
金髪のお下げの髪の毛。赤い頭巾。
まるでおとぎ話の世界から飛び出したような、可愛らしい女の子だった。
知らない子だった。
新しいサバイバーさんかもしれない。
『(あ、もしかして...)』
アンドルーさん、あの子の教育係になったのかな。
...いや、有り得る。アンドルーさんもここに来て1年経つし、エミリーからそのような死刑宣告...じゃなかった、そういうお知らせを受けてもおかしくはないよね。
でも、なんか。
『ちょっといい雰囲気じゃん...』
いやいや、一応アンドルーさんの彼女は私だし。
__あれ。
...彼女？
『(.....彼女、なのかな、本当に)』
こんな関係、もう1年も続いてはいるけれど。
まだハッキリと"恋人になってくれ"なんて会話は、厳密に言ってしたことはない。
...私とアンドルーさんって、本当に付き合ってるのかな？
アンドルーさんにとっては私は、"友達より仲のいい女子"って立ち位置で止まってたり...しないよね？
｢__何がちょっといい雰囲気なんだい？｣
『うわぁっ！？！』
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怜(プロフ) - yuさん» ありがとうございます！読み返しもしていただけていたなんて....！嬉しいです！のんびり更新ですがよろしくお願いします...！ (2021年8月30日 17時) (
レス) id: 6fe8036f83 (このIDを非表示/違反報告)
yu(プロフ) - 空に生き埋めすっっごい大好きで読み返しもしてたので続編嬉しいです！！ありがとうございます！！ (2021年8月29日 21時) (レス) id: 96a71449d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜 | 作成日時：2021年8月27日 22時
