枷【オリジナル】 part２ (ページ15)

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１５：藤堂咲

藤堂と成宮は、校舎の裏にある森に逃げ込んだ。

湖の前まで来ると、藤堂は足を止め、成宮の手を離した。

「あんたらの・・・目的は？」

藤堂は息を整えながら振り返り、狩人を睨んだ。

「聞かなくても、わかっているんでしょ？」

狩人は、余裕の表情で笑った。

「狩人は主に従うのみ」

狩人の背後から、女性が現れた。茶色い、カールした髪を肩の下まで伸ばしている。

「でも、あの生徒は違う誰かに操られてたみたいね。・・・狩人は憑りついてたけど、あんた

を襲わせるつもりはなかったから」

女性は、成宮を見て笑った。

「まぁ、今回は戦うつもりはないから、安心して。狩人を放ったのだって、様子を探るためだった

しね」

「貴方は一体・・・？」

成宮は、眉間にしわを寄せた。

「氷崎氏の使いっ手行ったら、わかるでしょ？」

そのとき、女性の後ろから男性が姿を現した。

「楓(かえで)。しゃべりすぎだぞ」

その男性―――蒼井は、女性を睨んだ。

「いいじゃない、兄さん。必ず、光の能力者を手に入れる」

楓と呼ばれた女性は、蒼井に言った。

蒼井は、成宮を見た。そして、嫌な思い出を思い出したかのように、顔をしかめた。

「・・・お前の顔を、もう一度見ることになるなんてな」

蒼井は吐き捨てるように言うと、楓に合図をして、その場から去っていった。