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第三話 鼓の鬼 壱 ページ8

森の奥の大きな屋敷。

屋敷は荒れ果て、ツタや植物が生えて剥がれている部分もある。
もう人は住んでいないだろう。

だが、玄関から出てきたのは血まみれの男。
すぐさま彼に駆け寄った。


『大丈夫ですか!』


「あ...助けて....」


出血が酷く、瀕死の状態だった。

急いでバックから取り出した液体を飲ますと、みるみるうちに治ってゆく。


「....あれ!?お、俺....あなたは?」


『早くお逃げなさい』


彼は深くお辞儀をして走って森の中をかけて行った。

間違いなくここに鬼はいるだろう。



屋敷の中に入った瞬間鼓の音が聞こえた。


いつの間にか廊下から座敷に移動している。

どうやらこの家の主の鬼は家を自由自在に操れるらしい。

ふと、下を見ると
座敷にはなぜか...何十枚と紙が散らばっていた。

拾い上げると、それは原稿用紙。
なにかの小説の一部分だった。

思わず読んでしまった。

面白い。そう思った。

ほとんどの物事にあまり興味のない...無関心な彼女は趣味や面白いと感じたことはない。

だが、この小説は彼女にも面白く感じられた。

その時、ドスンドスンと大きな足音がすぐ真後ろから聞こえた。


「....小生の...モノに触るな!!」


ポンとまた鼓の音が聞こえ、見えない鉤爪が彼女を襲う。

間一髪、それを避けるとこの家の鬼の姿を見た。

両肩、腹に鼓が埋め込まれた3mほどの鬼。
アレを叩き、部屋を移動させたり攻撃などをしているのだろう。


『...あなたが書かれたんですか?』


「だったらなんだというのだ」


『いえ。とても面白いと思っらだけです』


思ったことをつい口に出してしまった。
それだけのことだった。

そんな言葉に、彼は目を見開かせた。


「小生の小説は面白かったのか?」


『えぇ』


「素敵なのか?」


『えぇ』


すると彼は紙を拾い上げてまとめると彼女に手渡した。


「読んで欲しい」


驚いた。まさか鬼が食わずにそんなことを言うなんて。

断る理由もないので、笑された小説を手に取る。


ほんの数分で読み終えてしまった。

小説は途中のいい所で終わっており、続きがとても読みたくなった。


『....この後どうなるんですか?』


「ない。続きなど」


『そうですか。残念です』


それにまた反応し、近くにより「続きみたいか?」と聞いてくる。

彼女は頷くと少し鬼は考えて頷いた。

どうやら作ってくれるらしい。


机に座り書こうとする前にこちらをむく。


「...お前はなんだ?人間でも鬼でもないな..」

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甘喰い(プロフ) - 鴉さん» 全然更新できなくてすいません!!感想ありがとうございます!!しっかり読み返して誤字など直していきます...ご指摘ありがとうございます!!助かります (2020年2月3日 18時) (レス) id: 8ab12c2783 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新されている分読ませていただきました。とても面白かったです。読んでいて思ったのは、結構誤字が多かったので、一度ご自身で読んで確認された方がいいかもしれません。突然このような指摘で申し訳ないですが、更新頑張ってください、応援してます。 (2020年2月2日 21時) (レス) id: f7552a9a46 (このIDを非表示/違反報告)
甘喰い(プロフ) - 涙さん» 毎度毎度ありがとうございます....申し訳ないです!引き続き宜しく御願い致します!! (2020年1月5日 9時) (レス) id: 1876c611a8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 遊楽ではなく遊郭です (2020年1月5日 2時) (レス) id: 5e09944bd4 (このIDを非表示/違反報告)
甘喰い(プロフ) - 涙さん» ほんとだ!!わざわざありがとうございます!!! (2019年11月22日 12時) (レス) id: 1876c611a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘喰い | 作成日時:2019年10月22日 20時

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