弐 ページ18
彼が出ていったことにより緊張感がなくなりその場にへたりこんでしまった。
心配そうに四月一日が顔を覗き込む。
『大丈夫ですか?』
｢あぁ.....彼は一体?｣
『月彦さんのことですか？彼はよく薬を買ってくれるお得意さんです。子供たちとも仲良くしてくれて....』
彼女から聞いた彼の印象は全く違った。
なぜ鬼舞辻は四月一日や屋敷の人を食わないのか...なにか理由があるのだろうか。
『彼、青い彼岸花を探してるらしいですよ』
”青い彼岸花”という薬のことを話してくれた。
どんな難病でも治す万能薬。
その材料にも青い彼岸花が使われると言われている。
だが、そんな薬を今まで作ったという噂すら聞いたことがないとのこと。
『伝説...なのかもしれませんね』
だが、主人がそれを探しているという事は確かにあると確証があるからだ。
鬼は病気や多少の怪我なら死なない。
それでも探す理由は────────
陽の光を克服することだろうか?
そうなれば人間に未来はあるのだろうか。
(...小生には関係の無いことか)
それよりも彼女が今食われないという事はなにか青い彼岸花などに利用価値があると思っているからなのか。
いつか失ってしまうことに恐怖する。
『響凱さん?顔色悪いですよ...本当に大丈夫なんですか?』
四月一日は額に手を当てた。
暖かい。
鬼舞辻とは違い、優しく温もりのある手。
響凱はたまらず彼女を抱き締めた。
大きな体にすっぽりと彼女は収まる。
不思議そうに響凱の名前を彼女は何度も呼ぶ。
返事の代わりに彼は強く抱き締める。
『....響凱さん。何かあったんですか？』
｢....｣
『響凱さん。私、あなたがいてくれて良かったです』
｢....｣
『響凱さん。ありがとうございます』
腕の中で微笑む彼女は綺麗だった。
たまらず彼は泣いてしまった。
まさか鬼となってから泣くことがあるなんて思いもしなかった。
たまらなく彼女が愛しかった。
嗚呼、鬼であっても...人を食らってても今、ひとたびだけは許してほしい。
他には何もいらない。
小生が必ず守ろう。
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甘喰い(プロフ) - 鴉さん» 全然更新できなくてすいません!!感想ありがとうございます!!しっかり読み返して誤字など直していきます...ご指摘ありがとうございます!!助かります (2020年2月3日 18時) (
レス) id: 8ab12c2783 (このIDを非表示/違反報告)
鴉(プロフ) - 更新されている分読ませていただきました。とても面白かったです。読んでいて思ったのは、結構誤字が多かったので、一度ご自身で読んで確認された方がいいかもしれません。突然このような指摘で申し訳ないですが、更新頑張ってください、応援してます。 (2020年2月2日 21時) (レス) id: f7552a9a46 (このIDを非表示/違反報告)
甘喰い(プロフ) - 涙さん» 毎度毎度ありがとうございます....申し訳ないです！引き続き宜しく御願い致します!! (2020年1月5日 9時) (レス) id: 1876c611a8 (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - 遊楽ではなく遊郭です (2020年1月5日 2時) (レス) id: 5e09944bd4 (このIDを非表示/違反報告)
甘喰い(プロフ) - 涙さん» ほんとだ!!わざわざありがとうございます!!! (2019年11月22日 12時) (レス) id: 1876c611a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘喰い | 作成日時：2019年10月22日 20時
