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第六話 月彦さん 壱 ページ17

響凱は焦った。彼は間違いなくかつての主人。

鬼舞辻無惨だった。

そんな人がなぜこんなところに来ているのか。

しかも彼女とは知り合いらしい。


『わざわざありがとうございます。子供たちも喜びます』


「えぇ。私も子どもは大好きですから」


どのような意味での「大好き」なのか。

すると、再度こちらを見て指をさした。
背中に悪寒がはしる。


「ところで....あの般若の方は誰ですか?」


『新しく入った方です。よく働いてくれているんですよ』


「ほぉ...それはそれは」


真っ赤な瞳が響凱を射る。

冷や汗が止まらなくなってた。



かつての主人は屋敷にあがり診察室へと2人は消える。

不安で心配でたまらなくなっていた。


「響凱お兄ちゃん。大丈夫?」


兎の面の少女が着物の袖を引き心配そうな声で呼びかける。


「あぁ...大丈夫だ」


「月彦さんって優しいんだよ!前に金平糖くれたし!」


”優しい”信じられなかった。

あんな本物の鬼を今まで彼は見た事がなかった。

鬼殺隊よりも恐れる存在。

だが、一時期彼に尽くそうとした時もあったか。


戸が開き主人が出てきた。
その目に本能的に服従、萎縮してしまう。


「少し....いいかな?」


彼は拒否できなかった。


人気のないところに連れていかれ首を掴まれて床に叩きつけられた。

あまりの衝撃に息が上手くできない。

なんとか空気を取り込もうと咳き込んでしまう。
そんな響凱を見下ろしていた。


「響凱。なぜお前がここにいる?」


冷たい声に震えが止まらない。

なんとか口を動かし主人の質問に回答する。


「....四月一日に会い..ここに。小生のことを...認めて」


「そんなこと私は聞いていない。...人を食っていないな?」


「そ、それは...約束で...」


「それでも力は増している。なるほど、あの娘の血か...響凱。やはりお前は見どころがある」


彼が十二鬼月を剥奪されただけで済んだのも彼がまだ主人のお気に入りであったからだ。

主人は不敵に笑う。

そして額に指を当てた。


「四月一日と共にいろ。鬼殺隊には触らせるな...いいな?」


「は、はい...」


まだ恐怖が残る。

彼女といることは響凱としたら願ったり叶ったりだが、それは四月一日を監視しろという命令だった。


『あ、月彦さん。響凱さんとお話ですか?』


「えぇ。彼面白いですね」


『うちの自慢の職員です』


誇らしげの言う彼女。

ダメだ。彼は────────


「では。また伺いますね。響凱さんも...また」


主人はそう言い屋敷を出ていった。

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甘喰い(プロフ) - 鴉さん» 全然更新できなくてすいません!!感想ありがとうございます!!しっかり読み返して誤字など直していきます...ご指摘ありがとうございます!!助かります (2020年2月3日 18時) (レス) id: 8ab12c2783 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新されている分読ませていただきました。とても面白かったです。読んでいて思ったのは、結構誤字が多かったので、一度ご自身で読んで確認された方がいいかもしれません。突然このような指摘で申し訳ないですが、更新頑張ってください、応援してます。 (2020年2月2日 21時) (レス) id: f7552a9a46 (このIDを非表示/違反報告)
甘喰い(プロフ) - 涙さん» 毎度毎度ありがとうございます....申し訳ないです!引き続き宜しく御願い致します!! (2020年1月5日 9時) (レス) id: 1876c611a8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 遊楽ではなく遊郭です (2020年1月5日 2時) (レス) id: 5e09944bd4 (このIDを非表示/違反報告)
甘喰い(プロフ) - 涙さん» ほんとだ!!わざわざありがとうございます!!! (2019年11月22日 12時) (レス) id: 1876c611a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘喰い | 作成日時:2019年10月22日 20時

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