43話 ページ11
本棚が回転し終えると、大きな金属の扉が現れた。これが、マフィアへの入り口、地下通路だった。この通路から入る人間が侵入者か否かを見分けるには、バッジを持っているか否かで判断される。通路の途中に監視カメラが設置されており、そこでバッジの有無を確認するのだ。バッジがあればそのまま出口に抜けられるし、バッジが無ければ出口からマフィアの人間が襲ってくる。他にも、マフィアの息がかかった場所には、こうした通路が幾つも通っている。
因みに、正規の入口はマフィアの五本のビルの真下だが、あそこに入るにはカードが要る。その為、Aはここを使ってマフィアに侵入することを選んだ。カードなどもう持っていないし、持っていたとしても昔のものだから通れない可能性の方が高い。
どうぞ、と女は扉を開いた。その手の先には、狭い一本の通路が示されている。Aは女にお礼を云うと、通路へ足を踏み入れた。
＊ ＊ ＊
地下通路は、先程の書庫同様、天井からぶら下がる蛍光灯だけが明かりとなっていた。蛍光灯は一列に並んで、永遠と続いている。左右の壁と足元は、無機質な灰色のコンクリートだ。そして、壁の所々から、幾つものカメラの視線を感じた。こちらからは見えないが、壁にカメラが埋まっているのだ。
Aの異能は、電気を操る、というものである。それは電気をただ操作する、というだけではなく、電気を感知したりすることも可能だ。ほんの僅かな電気でも、瞬時に察知することが出来る。だから、例えカメラが隠されていたとしても、Aには直ぐに分かってしまう。
地下通路は、決してマフィアまでの最短距離とは云えないルートだった。地下というのは、様々な物が埋まっている。Aが今いるような地下通路や、どこかの建物の地下室、地下鉄、水道・ガス・電気・電話・下水道などのライフライン等、実に様々だ。先程の212通路は、それらの障害物の影響を一切受けない様に、地下深くに作られた通路である。だが、今Aが通っている地下通路は、障害物を避けながら作られた通路。しかも、一部では最早それらの障害物を巻き込んで通路となっているのだ。
その為、Aが通っている一本道は、下がっているかと思えば登っており、右にカーブしていたかと思えば左にカーブする、という有様だった。足元もぐにゃぐにゃと曲がっていて、歩きにくいことこの上ない。マフィアは、早急にバリアフリーを導入すべきである。
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麗(プロフ) - 続きを楽しみにしてます！！ (2021年5月22日 17時) (
レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
りか（かりんとう）(プロフ) - わー！！！！！更新されている……めちゃめちゃ嬉しい、、、、、これからも応援しています！！！ (2020年4月30日 22時) (レス) id: f31ecb66db (このIDを非表示/違反報告)
こよひ(プロフ) - りか（かりんとう）さん» 遅くなってしまって申し訳ありません。お読みいただき本当にありがとうございます。私事なのですが、来年受験のためしばらく更新をするのは厳しいかもしれません。気長にお待ちいただければ幸いです。 (2020年1月21日 15時) (レス) id: 38c890fd29 (このIDを非表示/違反報告)
りか（かりんとう）(プロフ) - とても面白いです！！続きがとても楽しみです。更新まってます……！！ (2020年1月2日 23時) (レス) id: f31ecb66db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こよひ | 作成日時：2019年5月2日 23時
