《トドメの接吻》 愛は誰にでも

認められた結婚 ページ8

やはりどちらかを諦めなければいけないのだろうか。



僕はAの頭を再度撫で、部屋を出た。





２月８日



私が目を覚ますとそこは知らない部屋だった。



「あれ・・・」



この部屋には見覚えがない。



けど置かれている家具は高級そうだ。



そういえば昨日はどうしたんだっけ。



「エイトさん・・・」



そうだ。



エイトさんが亡くなってしまったんだ。



長谷部さんは大丈夫かな。



どうして私の腕は手当てされてるの？



そもそもここはどこ？



考えても仕方ないという考えに至り、部屋を出た。



廊下を歩いているとどこかの部屋から声が聞こえた。



耳を澄ませながら声が聞こえた部屋の扉に近付く。



京子「これから、美尊のことをよろしくね？」



その声は京子さんのものだった。



ここは並樹家なの？



京子「最初は私も戸惑ったけど、今は並樹グループを継いでくれたらって思ってるの」



美尊「ちょっと待ってよ」



京子「それが、あなたの一番の幸せなのよ」



京子さんが・・・二人の結婚を容認した？



美尊ちゃんはまだ嫌がってるのに・・・。



なら、尊氏も私から離れて行くの・・・？



突然の出来事にその場を動けないでいると部屋の扉が開いた。



尊氏「A？どうしてここに。もう大丈夫なのか？」



美尊「Aちゃん！」



「わっ、いた・・・」



美尊「あっごめんなさい！」



私を見て抱き着いて来た美尊ちゃん。



腕が当たり思わず痛がると美尊ちゃんは慌てて離れた。



京子「気を付けないと。Aさんの怪我が悪化したら大変だわ」



美尊「そうだよね・・・ごめんねAちゃん」



申し訳なさそうに私に謝る美尊ちゃん。



「ううん、平気だよ。私、泊めてもらってしまったみたいで」



京子「いいのよ。あんなことがあった後だし、Aさんを一人にするのは危険だわ」



美尊「お兄ちゃんが怪我に気付いて病院まで行ったり、運んだりしてくれたのよ」



「えっ本当？ありがとう尊氏。いろいろごめんね」



尊氏「当たり前のことをしただけだよ」



こうして会話をしていても、頭はさっきの京子さんの言葉でいっぱい。



尊氏「どうかしたの？そんなに暗い顔して」



俯いていた私の顔を尊氏が覗き込んできた。



「え？ううん、何でもない」



尊氏「そう・・・。じゃあ僕は出掛けるよ。家にはどれだけいてもいいから安静にしてるんだよ？」



「いや、申し訳ないし帰るよ」

付いて行けない美尊→←想定外

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す