1 ページ2
『初めまして』
落ち着いた声と態度。
女には緊張のカケラも無く、寧ろ存在しているのは虚無感という相反した感情だ。
『いやあ、良かったなァ、A。
お前を貰ってくれる人がいて』
女の隣に座る男は、自分の発言と本心の矛盾を隠している。
しかし、男の発言はもう一人の隻眼の男にとっては正しいことだった。
横の男は女の叔父という立場であり、今は亡き女の父親の弟である。女の父親は先月他界してしまい、その父親が築き上げた呉服屋をその弟が継いだ
『……では、高杉さん。
Aのことをよろしくお願いします』
立ち上がり、一礼をした男はそそくさと部屋を出て行ってしまう。
残された二人の間は静寂となって、お互い自分の呼吸音だけを耳にしていた。
『……恨んでいるか?』
隻眼の男が発した言葉に、女は黙って首を振るう。伏せていた目を真っ直ぐ男に向け、口角を無理やり吊り上げた作り笑いを見せる
『いいえ。これからよろしくお願いします。
……高杉さん』
込められた呼び名に、隻眼の男は眉を動かす。
しかし何事も無かったかのように、元に戻した。
その時、開いた障子から見える木々が、風に吹かれてざわつき始める。
彼らの心の中をも掻き乱していく音に、煩わしさを感じた男は女から視線を逸らした。
そうして幕を開けたのは、無色で虚空な
571人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハル(プロフ) - あかあしえいたくんさん» いえいえ、遅くなんてないです! ありがとうございます!! 私=高杉があかあしさん以外にも浸透していくようにこれから頑張っていきますので、応援お願いします! リーマン沖田も高杉もサイコーですね!!( ´ ∀`) (2017年7月26日 19時) (レス) id: 15bb066393 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ミリアさん» めっちゃミリアさんのコメント色んな所で見たことがあって、自分の所には来るのか期待してたのですが、ようこそ!! アニメはあまり見ないので、Kは名前しか知りません。トリップも今の所書く予定はないです。お力になれずにすみません! コメントありがとうございます (2017年7月26日 19時) (レス) id: 15bb066393 (このIDを非表示/違反報告)
あかあしえいたくん(プロフ) - ハルさん、遅いですが第一章完結おめでとうございます!リーマン沖田も大好きですが、高杉も大好きです!何度も言いますが、私の中ではハルさん=高杉ですよ! (2017年7月26日 14時) (レス) id: 04caca4bb1 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - すごく面白かったです。これからの作品がすごく気になります。もし他の作品を作る予定ならアニメKとコラボかトリップした銀魂の作品が読んでみたいです。Kを知らないならオススメです。説明が下手ならすみません。これからも体にきよつけて更新頑張ってくださいね。 (2017年7月23日 12時) (レス) id: e3c7f73b1f (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 銀皐月さん» おはようございます! はい! 完結しました! まだまだ長いように思うのですが、意外と短いのですかね? ストーカーではなく、友達として付き纏ってくださいね笑 これからも仲良くしてください! 愛読ありがとう(´ ∀`) (2017年7月23日 11時) (レス) id: d86be63e03 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年6月30日 20時