side F ページ28
高熱で、苦しんでいる仲間にそんなことを思うなんて、不謹慎すぎると分かっていても、北山の表情や、いつもより荒い呼吸、濡れたような瞳に、自分自身の何かが反応していくのがはっきりとわかる
守ってやりたい
そう強く思うのは、仲間として、メンバーとして…以上の気持ちをもっているせいだと言うことを、俺はずっと前から気づいていた
気づいていて、もうずっと隠し続けているのだけれど
「はぁっ…ゴホッ…ゴホゴホッ！！」
「おい、大丈夫か？！」
邪な考えを吹き飛ばすように、北山が激しくむせた
その背中をさすってやると、ちらりとこちらを向いた視線
「ふ…じがや…」
か細い声、潤んだ目…
バクバクと、俺の鼓動が早くなっていく
「藤ヶ谷…俺…お前のコト…」
北山のまあるい瞳が俺を見つめた
厚みのある唇は、いつもより赤みが増しているようで、俺はつい北山の口元を見つめたまま次の言葉を期待しながら、視線を外せずにいた
「っ…俺…」
「っ…」
「…きたやま？」
「お、れ…」
北山はそう呟くと、途端に目を伏せて、それ以上言葉を発さぬまま、俺の手首を弱い力で掴んできた
「そばに…いて…」
「おい、きたや…ま？」
そのまま、枕に顔を埋めるようにして、北山は荒く呼吸を繰り返しながら、完全に瞳を閉じたままで、寝息を立て始めた
「…寝たのかよ」
赤く蒸気した頬
ふせられた長いまつげが、少しだけ揺れている
起こさぬように、掴まれたままの手首と反対の手で北山の頭をそっとなでた
「おやすみ…ゆっくり休めよ」
最年長のくせに、子供のような寝顔を見つめて、そうつぶやいた
眠る北山の寝顔を見つめながら、俺もベッドに顔をうずめると、とてつもない倦怠感に襲われる
そういえば、俺も朝から喉が痛かったんだ…
北山の不調で、自分のことなんてすっかり忘れていたけれど、今頃になって、急に喉がズキズキ痛む気がしてくる
むしろ、朝より悪化してきている…
ふと、顔を上げると、やはりそこには北山の寝顔
愛しい…
素直にそう思った
たまには、こんな日も悪くない
少し苦しそうにしながらも、寝息を立てている北山を見つめながら、俺も瞳を閉じると、とたんに睡魔に襲われた
なんとなく、身体がだるい
俺も、風邪早く治さなきゃな…
だから、今はもう少しだけ、このままでいさせて
そんなことを思いながら、眠りの渦に落ちていく思考
そのまま、北山の体温を感じながら、俺も意識を手放した
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ピンクピーチ(プロフ) - puuさん» お楽しみいただけて嬉しいです！同棲ネタ…イイデスネ(≧▽≦)どこかのお話で盛り込みたいなと思いました！ (2020年3月12日 23時) (
レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - 夢の国第3章ありがとうございます！ラブイチャ堪能させていただきましたvもう私の頭の中ではFさんが同棲を提案するシーンが流れております！ (2020年3月12日 21時) (レス) id: b36113747c (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - 北山アマージョさん» お返事遅くなってしまいすみません。夢の国シリーズ好評で嬉しいです＾＾押されまくりみっくん、私の好物です♪できたら続きの続きも書いてみたいなぁと。 (2020年3月5日 22時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
北山アマージョ(プロフ) - 夢の国のお話の続き読みたいと思ってました！北山さん押されまくりで可愛すぎますね！！ (2020年2月23日 23時) (レス) id: 1da5eb0478 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - puuさん» puuさんありがとうございます！以前そうおっしゃっていただけて嬉しかったので、今回の短編集に組み込んでみました！続き、気にしてくださって嬉しいです＾＾またいづれ・・その後の二人がある、かも？！ (2020年2月23日 12時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピンクピーチ
| 作成日時：2020年2月11日 22時
