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Ki 18 ページ18

細い身体、薄い胸板が呼吸に合わせて微かに動いている

相変わらずの高い鼻と、伏せられた涼やかな目元


寝ているだけなのに、なぜか胸の奥がキューっと苦しくなるほどに端正なたたずまい


テーブルに音を立てないように缶ビールを置いて、藤ヶ谷の寝姿をそっと見つめた



キレイ・・だな


もう少し、このまま見つめていたい




だって、藤ヶ谷が俺の前で寝顔を見せてくれることなんてもう二度とないだろうから

こんな無防備で無垢な藤ヶ谷の姿を見れるのは・・きっと今だけ


でも、さすがにこんなところで一晩寝たら腰痛めちまうよな

時計の針が、一番上まで来たら、声をかけてやろう



だから神様、もう少しだけ・・このまま見つめさせて下さい




チクタクチクタクと時計が刻む秒針の音と、藤ヶ谷の綺麗な寝息の音だけが響くホテルの部屋の中、
俺はそのきれいな音にしばらく耳を傾けていた


「おい・・藤ヶ谷、ベッド使えよ」

「・・・え」


名残惜しい気持ちを抑え込んで、寝てる藤ヶ谷に、声をかけた



「俺、ソファでいいから」

「あれ、俺・・」

「そんなとこでうたた寝すると風邪ひくぜ?」



藤ヶ谷はきっと、気づかぬうちに寝てしまったのだろう
俺が戻ってきたことさえ不思議な様子で辺りをキョロキョロと見まわしている




「あ、コレ・・お前も飲む?」

「え?」

「いや、さっき売店行こうと思ったらスタッフさんと会ってさ、お前は部屋で一人のんびりしたいかと思って、
俺は少しだけ飲んできたんだけど。飲み足りないから買ってきた」



まさか、藤ヶ谷に気を使ってこの悪天候の中、小一時間コンビニで時間をつぶして、
立ち読みだけだと気まずいから缶ビールも買ってきました、とは言えないので、とっさに思いついた言い訳を並べた


ちょっと苦し紛れの言い訳だったかなと思いつつも、藤ヶ谷は特にそこを気にすることはないようで、
ただ俺に差し出された缶ビールを見つめていた

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設定タグ:キスマイ , 藤北 , 藤ヶ谷太輔北山宏光   
作品ジャンル:タレント
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2020年1月7日 21時

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