だから、君の隣で笑わせて (ページ2)

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Ki 2 ページ2

『俺、藤ヶ谷の事、好き』

たまたま、仕事終わりに二人きりになった楽屋

今日を逃したら、もうチャンスはないかもしれないと思って、俺は意を決してその思いを伝えた

緊張のあまりぎゅっと握った拳が冷たかったのを今でもはっきりと覚えている

だけど、それ以上に

『え・・』

驚いたように、俺を見つめた藤ヶ谷の表情が忘れられない

ある程度予想はしていたけれど、藤ヶ谷は、一言も言葉を発することなくただ俺を見ていた

気持ち悪い、よな・・・

そのまま、眉間に皺を寄せるようにして口をつぐんでいる藤ヶ谷を見て、きっと俺を傷つけないようにフる言葉でも、模索しているんだろうと思った

やっぱり、伝えるべきではなかったのだろう

長年の仕事のパートナーに、こんな曇った顔をさせてしまうなんて

『ごめんな！！もう、伝えたから、忘れて！』

俺は、後悔と、自責の念からそう口走った

『モヤモヤしたまま、これからデビューして長年やっていきたくなくってさ・・
俺、ちゃんと伝えて自分の気持ちにけりつけたかったんだ・・ごめんな！明日からは、ちゃんとするから・・またよろしくな』

そう言い残すと、それ以上藤ヶ谷の表情を見ることも怖くて、俺は藤ヶ谷に背を向けて、一目散にその場を立ち去った