Ki 16 ページ16
『それ、ミツのになったんだ』
みんなのいるリビングに戻ると、横尾さんが、黒縁メガネの奥から、柔らかく笑っていた
『あ、あ…なんか、くれるって…』
しどろもどろに俺が答えると、横尾さんはますます楽しそうに目を細めた
『太輔の愛情って、わかりにくいんだよな…まぁ、これからもアイツの事、ヨロシク頼むよ』
『え、え?』
俺が振り返るまもなく、ポンッと俺の肩に手をおいた横尾さんは、おやすみ〜と楽しそうに上機嫌のままで自室に戻っていってしまった
『ミツー!』
途端、二階堂の馬鹿でかい声が響いて、後ろからガバッと抱きつかれた
『あー!何これ?これ、ガヤにもらったのー?いつもミツだけずるいー!!』
『おぃ、二階堂うるせぇ!酒クセぇ!!』
『ホントだー!藤北だー!』
『なんだよそれ?!』
千賀の声に俺が抗議すると、
『ふたりの頭の文字とって藤北〜!コンビ名、的な?俺等は、ニカセンでぇー』
『もう、付き合ってられねぇよ!』
末っ子二人の絡み酒をあしらって、俺も自室に戻ると、ドアの前で、濡れた髪のままの藤ヶ谷がちょうどこちらに向かってくるところだった
『あっ…』
先程のことを思い出し、ふと頬が熱くなる
『あー、あの…うんと…その、さ…』
少し背の高い藤ヶ谷を見上げるも、
言葉に詰まる俺を見て、藤ヶ谷はくくっと小さく笑った
『なに…?おやすみのキスしてって?』
『ば、バカ!ちげぇよ!なんでお前はすぐ』
『そんなに見つめてくるから』
『な…//』
『おやすみ、北山』
そう柔らかくいうと、パタンとドアの奥に消えていってしまった
太輔の愛情表現は分かりづらいから
ふと、横尾さんの言葉を反芻しながら、まだ熱い頬を、枕に押し付けるようにして、俺もベッドにうずくまる
なんで…くれたんだろっ…
もう一度、藤ヶ谷にもらったゴールドのチェーンをつまみ上げてみる
アイツの細い首筋で、キラキラ光ってるのが、好きだったけど…
藤ヶ谷にそう、思ってもらえたら…
って、俺は何を考えてるんだ!
結局、ぐるぐる回る思考のまま、目を閉じて、その晩は眠れない夜を過ごした
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ピンクピーチ(プロフ) - keitaku125さん» チームワークと、藤北の甘酸っぱい恋模様と、どちらも楽しんでいただけるよう、続編も頑張りたいと思います^^ (2020年6月11日 17時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - まりぶさん» ありがとうございます!次のおはなしもどきどきはらはらでたのしんでいただけるように、構想熟考中です^^ (2020年6月11日 17時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
keitaku125(プロフ) - 続編見たいです!7人のチームワークも好きでしたが両思いなってからの藤北のコンビと信頼感が大好きでした。続編がどんな感じになるのか楽しみです! (2020年6月10日 21時) (レス) id: 533dfc9d96 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - みちゅどんさん» ストーリー柄ハラハラドキドキな展開が多いですが…次もそうなると思います(笑)続編も、楽しんでいただけるよう頑張りますね! (2020年6月10日 19時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - nanacoさん» そう言っていただけて嬉しいです!!続編も、気に入っていただけるように頑張って執筆します^_^ (2020年6月10日 19時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年11月14日 16時