±10cmから見た日常 (ページ21)

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side F ページ21

「そんな、睨むなよ」

結局、なかば無理やり北山に風呂に入れられ、おまけに、北山まで一緒にはいってくる始末

「男同士なんだから、いーだろ？」

「…」

「いや、お前の裸なんて見慣れてるし…わぁっ！！」

「もう黙ってて」

浴槽から、座椅子に座ってシャンプーをする北山めがけて、お湯をかけてやった

「第一、お前が飲んだくれで帰ってきた日は俺が風呂に入れてやったんだからな？」

「あれは、事故だ」

「イヤイヤ…」

そりゃぁ、北山はサウナだって行くし、風呂サーだってやっちゃうし、男同士で風呂に入ることなんて、なんともないのかもしれないけど

浴槽から、俺の姿をした北山を見る

シャワーが滴って、泡が流れていく横顔を見つめた

「ん？なんだよ？」

「…別に」

「そんなに、熱い目で裸の俺を見つめられても困るんだけど」

「そんな目で見てねぇっ！」

「照れんなよ」

「そもそも、それは俺の体だからな！！」

「今は俺のモンだ」

「なっ…///」

挑発的な目でそう言われると、思わず半開きの口のまま黙り込んでしまった

俺のモノ

だ、なんて…

まるで、愛の告白かのような、そんな言葉
意図したわけではないのだろうけれど、無駄に意識してしまう

「え」

「あ？」

俺があたふたしている間に、体を洗い終えた北山が、浴槽に勢いよく入ってきた