side Ki ページ46
「うぅ・・」
その手をつかんで抵抗しようともがく中でも、
呼吸が苦しくなるとともに、目の前がふわっとしてくる
ギリギリっと、男のゴツい指が喉元に食い込むのがわかる
パチッと電気の走る音
ヤバい、俺、このまま・・
不快な電気音が、耳のすぐそばで鳴った
と、同時に男のポケットから鳴り響く着信音
「ちっ・・」
瞬間、車のヘッドライトがこちらを明るく照らすのが見えた
ずるりと、男の手が首から離れた
「ごほっ・・げほっ…げほけほっ…」
「残念だが、お迎えの時間だ。アイツに伝えておけ。次は、お前たちの番だと」
その掠れた声が、脳裏にこびりついていく
男の足音が遠ざかっていき、黒いバンの中へ後ろ姿が消えていった
微かに見えた運転席には、ロングヘアに真っ赤な口紅が見えた
女、か…？
その車のヘッドライトが段々と小さくなっていく
「はぁ、はぁ、あっ・・」
とたんに解放されて流れ込む酸素に、苦しくなって思わずむせた
「げほっ・・くっ・・はぁ・・っ・・」
しばらく、足が張り付いたように、その場から立ち上がることもできずに、ただ薄暗い路地裏の、コンクリートの冷たさを感じていた
「ふじが、や・・」
呟いた声は、ひどく掠れていて、ふと見上げると漆黒の夜空には、あの日の様に三日月は見えず、暗雲がただ、たちこめていた
ふいに、内ポケットから感じる振動に、手を伸ばす
『きたやまっ・・・？』
スマホから響く、無性に聞きたかった
その声に、ただ
すがるように呟いた
「ふ・・じがや・・ぁ・・は、あぁ・・」
『え、なに、どうしたの？きたやまっ？？！』
「お前っ・・は・・・無事、か？」
『え、なに？！北山いまどこ？迎えに行くからっ！！』
スマホを握りしめて、一言だけつぶやくと、
今すぐそっちに行くから、と声が聞こえた
震える手で、冷たく乾いた唇に触れると、
頬を伝ったのは、
久しぶりの、涙だった
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ピンクピーチ(プロフ) - えみさん» ありがとうございます^_^まだ序章ですが、これからもドキドキハラハラしていただけるよう更新していくので、お楽しみくださいませ！！ (2019年9月22日 11時) (
レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
えみ - ハラハラもあり恐怖感もあり、すっごく気になるお話ですね！！おもしろいです！！続き楽しみにしてます(*´∇｀*)応援してます！！！ (2019年9月22日 1時) (レス) id: 593c5b68c6 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - 北山アマージョさん» ハラハラしながら、楽しんでいただけたら嬉しいです^_^以前から、お気にかけて下さりありがたいです！！これから、本編も盛り上がって行くので、引き続きよろしくお願いします^_^ (2019年9月20日 22時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
北山アマージョ(プロフ) - こんばんは！今までとは趣きの違うお話しハラハラします！怖いですが、楽しみにしてます！以前も何度もリクエストさせて頂いてたんですが、ニックネーム変えてしまったのですみません。 (2019年9月20日 21時) (レス) id: eca4a61663 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピンクピーチ
| 作成日時：2019年9月12日 17時
