その唇が欲しいモノは ページ6
テーマ 風邪ひきサンみっくんへの薬口移しキス
リクエストありがとうございます!
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やっと、終わった
バクバクと速いリズムを刻んでいく鼓動に気づかないふりをしながら、踵を返した
首筋に、嫌な汗が伝うのを感じる
「ありがとうございました」
笑顔を振りまきながらスタジオを出ると、気づかれないように視線を逸らして思わず顔をゆがめる
朝より、明らかに悪化していっているのが自分でもわかる
腹のあたりに感じる不快感をごまかすように、そっと撫でた
「やべっ・・衣装熱いわー」
まだ残暑が残る中、秋物の衣装のせいにして、首元をパタパタと扇ぎながら楽屋に入った
「キタミツ汗やばくない?俺よりひどいよ?」
「ははっ」
驚いたいた顔の宮田に相槌を打ちながら、少しぬるくなってしまったペットボトルの中身を飲み干した
ソファに深くもたれかかると、一瞬意識が遠のきそうになって、ぶんぶんと頭を振る
「宮田、お前遅い。早くしろ、おいてく」
「えー玉ぁ!!」
「じゃぁ、お先ー」
先に撮影を終えていた弟組たちが、騒がしく楽屋を出ていった
「あれ、ミツ帰らないの?」
あっという間に身支度を済ませた横尾さんが、いつもの黒縁眼鏡をかけながら、俺のほうを振り返る
「あー、うん・・このあと打ち合わせしてく」
笑顔を作ってこたえると、長身の横尾さんの後ろで、荷物をまとめていた藤ヶ谷が、少しだけ俺のほうを見た気がした
微かに、視線が交わったと思った瞬間、その切れ長の目はまた、ふっと俺から逸らされて、何事もなかったようにその華奢な手元に戻される
ふと、先ほどのペア撮影の時の距離感を思い出した自分がいて、それがなんとなく虚しくて、
俺も視線を逸らした
「そっか、お疲れ。じゃあまたね」
「おう、お疲れ〜」
俺の後ろを通り過ぎていった横尾さんと、その後ろから無言でついていく藤ヶ谷の背中をぼんやりと見つめる
楽屋のドアが開いて、二人の細い身体が見えなくなってしまう直前、また不意に藤ヶ谷が俺のほうを振り返って見た気がして、思わず顔を上げると、
その一瞬はあっという間に過ぎ去って、無機質な白いドアがパタンと音をたてて閉まった
「っ・・・」
誰もいなくなった楽屋で、広いソファにだらんと手足を投げ出して天井を仰ぐ
照明が目にチカチカと染みるきがして、瞼を閉じると、重い身体がグルグルとまわっているような感覚に襲われる
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ピンクピーチ(プロフ) - puuさん» ありがとうございます^_^またどこかで、二人の続きをかけたらいいなと思います!! (2019年10月14日 20時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - 完結?おめでとうございます!気に入ってる作品も続きを書いてほしい作品も夢の国キスですー!!私も夢の国に関しては、KさんほどじゃないけどKさん寄りの考え方なので共感しながら読んでました。すれ違っていた2人がやっと両思いになったのでぜひ!続きが読みたいです (2019年10月14日 20時) (レス) id: b36113747c (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - ちさん» 投票ありがとうございました!そして早速のコメント嬉しいです(≧▽≦)皆様の反応を参考にさせていただき、もしかしたら続く…かも?(笑) (2019年10月12日 20時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
ち(プロフ) - 実は私が投票したものが素敵な短編に仕上がっていてとても感動です(涙)予想以上の仕上がりで普通に1つの作品として読みたくなりました(*^^*)本当にありがとうございます!これからも楽しみにしてます! (2019年10月12日 20時) (レス) id: 20a7b4a7e7 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - たまももさん» ありがとうございます!!執筆します^^ (2019年9月2日 10時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年8月16日 14時