F 6 ページ36
「呼んだ？」
「っ？！」
振り返ると、閉めたはずの障子から、顔をのぞかせて、俺を見下ろすソイツがいた
金色の髪が、サラリと揺れた
「はぁっ・・あっ・・」
「お前、どうした・・？」
同じように、膝を床について、視線を合わせてくる
「はっ・・はっ…なんで・・」
「お前・・辛そうな顔してたから」
大丈夫かって、俺の肩に手を添えて心配そうにのぞき込んだ北山の手を思いっきり振り払った
身体が、怖いくらいに震える
「俺に・・触んっ・・なっ・・」
「あ、・・わりぃ」
北山は、それでも俺のほうを見て、視線を合わせてくる
そのまなざしが、ムカつく
「もう・・俺の事なんて・・忘れた、くせに・・」
「っ・・」
「もう・・俺に、はぁ・・・は、・・かまう、な・・・・」
「・・ふじがや・・」
俺だけ、バカみたいに、好きでいるなんて・・惨めで苦しい
それでも、アイツを見ると思いだす
大好きだった日々
その笑顔が向けられることを、ずっと疑わなかった日々
今よりずっと狭い、シングルベッドで抱き合ったまま眠ったこと
そこで、たくさん愛し合ったこと
俺のナカで、果てる直前に、俺の名前を呼ぶ、北山の高い声が好きだった
その時だけ聞く、高音は、いつだって俺を心地よくさせた
今では、買い替えたセミダブルは・・俺一人で寝るには広すぎる
「はぁ、うっ・・はぁ・・・」
「おい、ふじがやっ！」
「は・・・あ・・」
思い出すと、苦しくて
呼吸が、上手くできない・・
苦しい・・
苦しいよ・・
思わず、北山の、ほうを見上げて
その手を、指先で握った
大きな瞳が、俺をまっすぐに見下ろして、
揺れた
「ふじがやっ…」
「はぁっ…はっ…」
「ゴメンっ…」
その、ごめんは、あの日と同じくらい、
悲しい音だった
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ピンクピーチ(プロフ) - puuさん» ありがとうございます^_^またどこかで、二人の続きをかけたらいいなと思います！！ (2019年10月14日 20時) (
レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - 完結？おめでとうございます！気に入ってる作品も続きを書いてほしい作品も夢の国キスですー！！私も夢の国に関しては、KさんほどじゃないけどKさん寄りの考え方なので共感しながら読んでました。すれ違っていた2人がやっと両思いになったのでぜひ！続きが読みたいです (2019年10月14日 20時) (レス) id: b36113747c (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - ちさん» 投票ありがとうございました！そして早速のコメント嬉しいです(≧▽≦)皆様の反応を参考にさせていただき、もしかしたら続く…かも？（笑） (2019年10月12日 20時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
ち(プロフ) - 実は私が投票したものが素敵な短編に仕上がっていてとても感動です（涙）予想以上の仕上がりで普通に１つの作品として読みたくなりました(*^^*)本当にありがとうございます！これからも楽しみにしてます！ (2019年10月12日 20時) (レス) id: 20a7b4a7e7 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - たまももさん» ありがとうございます！！執筆します＾＾ (2019年9月2日 10時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピンクピーチ
| 作成日時：2019年8月16日 14時
