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Ki 3 ページ19

ただ、カメラマンの指示に従っただけ
そんなのわかっているくせに、いちいち反応する自分の心が、情けない



メンバー、仕事仲間、シンメ


それが俺たちに与えられた関係性
それ以上でもそれ以下でもない
どんなに思ったって、この思いは伝えられない
伝える気もない

それならいっそ・・もう終わりにすればいい

俺は、この不毛な思いを、いったい何年抱えているのだろうか
結局、終わりにしたいと思いながら、終わらせることができずに拗らせているだけなんて



「ハイ、お疲れ様です」



撮影終了の声と共に、ふっと笑顔を解いた
横を見ると、同じようにまた先ほどの浮かない顔をした藤ヶ谷の横顔が目に入る

忙しなく機材を片付けだすスタッフ、メンバーの中で最後の撮影だったからか、人もまばらだった
そんな空気の中で、ふとみせる藤ヶ谷の表情が胸に刺さる

「・・なぁ」


その横顔が、あまりにも寂しそうで、切なくなったから


「なに?」


少し不機嫌な声で俺を振り返る藤ヶ谷


「そんなに行きたかったの、夢の国」

「・・」


不機嫌な表情をさらに加速させるように、眉間の皺を深くした藤ヶ谷が無言で俺を睨んだ
だから、そんな顔するなよ


「・・俺、木曜オフなんだけど」

「・・・」


きっとこの時の俺はどうかしていたんだと思う



「俺と、一緒に行く?夢の国・・」




口から、言葉となって出たその一言は、自分でも信じられなくて、
言った直後に、目を見開いて驚いている藤ヶ谷の顔を見たとき、心底後悔した


あ、俺マジでやらかした・・・



いつも、視線が合うことなんてほぼなくて、合ったと思った瞬間に外されるその視線
いまは、ありえないほどに俺を凝視してフリーズしている藤ヶ谷がいた


「あ・・いや、その・・」


無言の藤ヶ谷に、完全にやってしまったと思い、

嘘だよ、冗談だよって笑ってごまかそうと思った矢先だった



「行く」


「え・・・ええぇぇ?!」


「行く」



ぶっきら棒に、だけどまっすぐ俺を見てそう呟いた藤ヶ谷の顔を見て、
奇声を上げたのは、俺のほうだった

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設定タグ:キスマイ , 藤北 , 北山宏光藤ヶ谷太輔   
作品ジャンル:タレント
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ピンクピーチ(プロフ) - puuさん» ありがとうございます^_^またどこかで、二人の続きをかけたらいいなと思います!! (2019年10月14日 20時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - 完結?おめでとうございます!気に入ってる作品も続きを書いてほしい作品も夢の国キスですー!!私も夢の国に関しては、KさんほどじゃないけどKさん寄りの考え方なので共感しながら読んでました。すれ違っていた2人がやっと両思いになったのでぜひ!続きが読みたいです (2019年10月14日 20時) (レス) id: b36113747c (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - ちさん» 投票ありがとうございました!そして早速のコメント嬉しいです(≧▽≦)皆様の反応を参考にさせていただき、もしかしたら続く…かも?(笑) (2019年10月12日 20時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 実は私が投票したものが素敵な短編に仕上がっていてとても感動です(涙)予想以上の仕上がりで普通に1つの作品として読みたくなりました(*^^*)本当にありがとうございます!これからも楽しみにしてます! (2019年10月12日 20時) (レス) id: 20a7b4a7e7 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - たまももさん» ありがとうございます!!執筆します^^ (2019年9月2日 10時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年8月16日 14時

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