末っ子のまーくん 4 (雅) ページ42
潤Side
歯が痛いのかという和にぃの問いに
思いっきり首を振った雅にぃ。
それだけ激しく否定するってことは
つまりは肯定していることと同じじゃないのか…
その証拠に、雅にぃの口の中には
咀嚼されていないおかゆが残ったまま。
あれから一度も噛まないから
飲み込むこともできずに少し戸惑っているように見える。
和「雅にぃ、おかゆ出していいよ?」
雅「んーん……」
和「飲み込める? 無理しなくていいから、出して?」
多めに重ねられたティッシュの上に
おかゆを出させた和にぃは、
どうする? って顔で俺を見ている。
どこか口の中に痛みがあるのは確実だよなぁ…
どうしよう…俺らだけで診てみるか?
いや、翔にぃ待ってたほうがいいのかな。
でも今日帰ってくるって確証はないし…
智にぃは明日まで帰ってこないし…
和「ちょっと口の中診てみようか。
ね、雅にぃ」
俺が下を向きおでこに手を当てながら考えているうちに
和にぃはもうやると決めたらしい。
いまだに痛くないと言い張っている雅にぃだけど、
ちょっと泣きそうな顔になってるから
やっぱり痛みはあるんだろう。
さすがに明日まで放っておくことはできないだろうし
ここはやるしかないか。
潤「さっき、どこ痛かった?」
雅「んーん……」
和「別に何もしないよ?
どこが痛いのか、知っておきたいなと思って。
言ってくれないなら、病院行って診てもらう?」
うわっ…和にぃ責めるね…
まぁ俺らしかいないんだし
これくらいしないとやっていけないか…
和「病院いや?」
雅「ん……」
和「じゃあ、俺らに教えてよ。
そしたら病院行かない」
和にぃに問い詰められて
助けてって目で俺を見てきた雅にぃ。
でも残念ながら、俺も和にぃの仲間なんだよな…
潤「俺らに診せてくれたら、それでいいから。
ね、雅にぃ。どこ痛いか教えて?」
完全に逃げ場を失った雅にぃは
目を落ち着きなくきょろきょろさせながら、
諦めたように「いたい…」って小さくつぶやいた。
とりあえず、痛みがあるのを認めてくれただけ前進だ。
和「どこ痛かった?
歯? ほっぺ? のど?」
雅「……ぁ……」
和「うん?」
雅「……はぁ……いたい」
和「うん。わかった」
歯ぁ痛いって声をしぼりだした雅にぃに
よく言えたねっていうように笑顔でうなづいている和にぃ。
この様子だけ見ていれば
確実に和にぃの方がお兄ちゃんだ(笑)
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作者名：ちさ
| 作成日時：2013年6月29日 14時
