えまーじぇんしー 14 ページ50
智Side
雅「はい、智にぃ。あーん。」
智「僕、もう自分で食べられるよ?」
和「はい、智にぃ。ばんざーい。」
智「ねぇ…僕、もう自分で着替えられるよ?」
潤「はい、智にぃ。いー。」
智「ね、ねぇ……僕、もう自分ではみが……」
翔「いいじゃんか〜。やらせてやりなよ。
全部やってくれるんだから。楽でいいじゃん(笑)」
僕が倒れてから2日。
もう熱もほぼ下がったというのに、
僕の弟くんたちは、かいがいしくお世話をしてくれる。
熱が高かったときは、ほんとにつらかったから、
みんなが着替えさせてくれたり
水飲ませてくれたりってことが嬉しかったけど、
いまは意識もはっきりしてるし、そろそろ恥ずかしい。
優しくしてもらうのは嬉しいんだよ?
プロに歯磨きしてもうのは気持ちいいし、
嫌ではないんだけどさ…
でも、もうさすがにね。
いったいいつまで、
僕はされるがままなんだろうか(笑)
結「ねぇ、みてぇー!!
ぴっぴ。おねちゅ、ない!!」
部屋に入ってきたゆいちゃんが、
ベッドにぴょんと乗ってくる。
もうリビングの布団は片づけられちゃったから、
僕は自分の部屋に閉じ込められたんだ(笑)
もう大丈夫だから
リビングにいさせてくれって言ってんのに、
まだ念のために寝てなきゃダメだって
ベッドから出してもらえないの。
智「ん? ピッピしたの?
どれどれ……おっ、平熱。ほんとだ、お熱ないね。」
しばらく微熱が続いていたゆいちゃんも、完全に回復。
今はご飯もモリモリ食べているらしい。
今回はずいぶん長く苦しめられちゃったからね。
ここ数日は泣き顔しか見てなかったから、
こうしていい笑顔で僕に抱きついてきてくれるのが、
本当に嬉しいんだ。
「あれ、ゆい。ここにいたの?
智にぃ、晩ご飯できたけど、食べれそう?
今日は皆で食べようって、翔にぃが。」
エプロン姿のAが部屋に入ってきて、
クローゼットからカーディガンを出して羽織らせてくれた。
やっと部屋から出るお許しがでたか(笑)って
ウキウキしながら下に降りると、
もうすでにテーブルにはみんな揃っていて。
そしてなぜか僕は、
お誕生日席に座ることになった。
翔「でわ、智にぃの回復を祝って〜〜
かいぱーい!!」
智「ふふっ。かんぱ〜い。」
久々にみんなで囲む食卓。
笑顔あふれるその空間に
僕は心の中で何度もありがとうを繰り返しながら、
大好きな家族の顔を見渡していた。
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作者名：ちさ
| 作成日時：2013年5月17日 17時
