足の怪我 11 (潤) ページ35
智Side
晴れた日の日曜。
珍しく全員休みを取れたその日、
僕らはある場所に来ていた。
雅「うわっ。ほらゆいちゃん、お魚だよ!!」
結「きゃっ、きゃ〜。いっぱいね〜♪」
車から降りて真っ先に池に走っていった2人。
初めての釣り堀で
ゆいちゃんがテンションあがるのはわかるけど、
それに負けないくらい
雅紀がノリノリなのはどうしてなのかね(笑)
和「あのまま池に落ちたりして。」
智「うん。ありえるね〜」
潤「魚、怖がるかと思ったら
案外平気みたいじゃん。」
翔「まぁ、見てるだけだからな。
触れるかどうかが問題だ。
あっ、潤。ちょっと俺につかまって?
段差あるから気をつけろよ?」
潤の足を気にかけながら
後からゆっくり2人を追いかける僕ら。
まだ治療して日が浅いから、
親指には包帯が巻かれている。
治療はうまくいって、傷の回復も順調だけど、
切除した爪が生えてくるまでには何週間もかかるし、
またバイキンが入ると大変だからね。
あんまり無理はさせられないから
みんなが動き回っているときも、
僕と潤はイスに座ってまったりみんなを観察。
まだ痛みも残ってるみたいで、
歩きづらいだろうしね。
準備は翔が全部やってくれるみたいだから。
釣竿が使える状態になったら、
僕と潤も座りながら池に糸を垂らす予定だ。
和「わぁっ、気持ち悪っ!!
ボク、こんなのむりぃ〜」
雅「げっ!! なにこれ、幼虫?
やだぁ〜、ボクもむりぃ〜」
翔「おれも…あっ、ボクちゃんもむりぃ〜」
エサの虫さんが触れな〜いと言って、
なぜか釣竿とエサは僕の元へ。
こんなときばっかり、
か弱い“ボクちゃん”になっちゃって。
虫よりそっちの方が気持ち悪いでしょうよ(笑)
智「はい、できたよ。」
和「ありがと〜。
やっぱ翔にぃより頼りになる〜」
翔「しょうがないだろ。
俺、虫とか…まじでさ……
ってか、お前だってさっき触れないって!!」
智「も〜、そんなこといいから、釣りしておいでよ。
だんだん慣れるから大丈夫。」
まっ、そうだな、
ってすぐに元気を取り戻した翔だったけど、
ゆいちゃんが普通にエサの虫をつまんでるのを見て、
ガックリと肩を落としていた(笑)
情けねぇ…って。
しょうがないよ。
幼いころの方が、昆虫とか幼虫とか、
躊躇なく触れたりするものだから。
その証拠に、昔はミミズを突っついていたAも、
今では涙目になるほど気持ち悪がってるしね(笑)
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作者名：ちさ
| 作成日時：2013年5月17日 17時
