パパが治してあげようね *ARS* 6 (ページ25)

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足の怪我　1　(潤)　*リクページ25

智Side

『たーいまぁーー!!』

家中に響いた元気な声。

上擦った大きな声に、つい口元が綻びながらも、
ラグマットの上に寝転んでいた身体を起こすと、
声の主が勢いよくリビングに入ってきた。

智「おかえり、ゆいちゃん。
あらら、汗びっしょりだ。」

そわそわとして落ち着かない様子の
ゆいちゃんの手を取って帽子を脱がせてやると、
少し茶色いふわふわの髪の毛が、
汗でぺったりとなっていた。

智「公園、楽しかった?」

結「うん!! あのねぇ～、ぴちゃぴちゃってね～
おみず、ちゅめたいの!!
ぱしゃってねぇ、きゃ～って。
あっあっ、でもねぇ～、おさかな、ないかった!!」

智「ふふっ。そうか、そうか(笑)
じゃあ今度はお魚釣れるところに、みんなで行こうね。」

興奮気味に話しているゆいちゃん。

本当に楽しそうに話すから、
なんだかこっちまで嬉しくなるよ。

潤「あぁ、ゆいちゃん。
ほらこれ、玄関に置きっぱなしだよ。」

ゆいちゃんを公園に連れて行ってくれた潤が
首にかけてあったタオルを取りながら、
小さなリュックサックをゆいちゃんに手渡している。

お出かけ用の、
うさちゃんキーホルダーが付いたピンクのリュック。

今日はだいぶ暑かったから、
飲み物とタオルを入れて渡しておいたんだ。

浅い小川のような、水場がある公園に行ったから、
着替えも念のため持たせたかったし。

暑い日の水遊び、
冷たくて気持ちよかったみたいだね。

ゆいちゃんなんて、ご機嫌絶好調だもん(笑)

智「潤、ありがとね。連れてってくれて。」

潤「いいの、いいの。俺も楽しかったし。
でも、今度行くときは、智にぃよろしく(笑)」

ちょっとグッタリ気味の潤。

大はしゃぎのゆいちゃんに振り回されて、
大変だったんだろうね～(笑)

まだ6月だというのに日差しは真夏のよう。

そんなの、外にいるだけでも疲れるだろうから。

智「なにか飲む?
アイスコーヒーでも作ろうか?」

潤「あ～、お願いします。
その前にちょっと着替えてくるね。」

あっちぃ～、って前髪をかき上げながら
タオルで額を拭いた潤は、

ぬれたTシャツをパタパタさせながら、
ドアの方にクルっと身体を反転させた。

智「えっ、ちょっと待って、潤…」

歩き出した潤の後姿。

妙な動きをしている右足に違和感を感じた僕は、
思わず潤を呼び止めてしまった。