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しょーちゃん、行っちゃダメ!! 8 (結) ページ20

智Side


結「しょ・・ちゃぁ・・・」


智「翔ちゃんお仕事行っちゃったねぇ。
今頃何してるかなぁ〜
痛い痛いの人治してあげてるかな?」



ソファーに座っている僕の胸に
コアラのようにくっ付いているゆいちゃんは、

目をトロンとさせながら
小さくつぶやくように翔の名前を呼んでいる。



こうして静かになるまで数十分、
ずっと背中をたたき続けてようやく落ち着いた。


おかげで僕の服は、涙のしみとシワだらけ(笑)



ゆいちゃんの涙が止まるまで時間がかかったから、
結局出勤の時間には間に合わなかったんだよね。


今日僕は、午前中検査しか入ってないし、
多少余裕はあるから大丈夫なんだけどさ。


本当は朝早く行って処理しておきたい書類があったんだけど、
そんなことは別に明日でもいいから。





智「ゆいちゃん、おでこのペッタンかえようか。」



暴れたせいで熱が上がったのか
くっつかれている僕がジワッと汗をかくくらい、
ゆいちゃんの身体は熱を発している。



智「ちょっと冷たいですよー」


結「んぅ・・ぺ・・ったぁ?」


智「うん。ぺったんね。」



さっきまではあんなに大きな声を出していたのに。


体力を使い果たしてしまったみたいだね。





結「んぅ・・んっ・・ふっ、ふぇ・・」


智「うん・・よしよし・・」



これだけ熱があって、身体がだるくないわけがない。


僕の胸に顔を押し付けながら、
首を振って弱々しく泣いているゆいちゃんは、
ちょっとご機嫌ななめ。


いくら辛くても自分ではどうすることもできないから、
よけいにグズグズなんだよね。





早く寝れちゃえばいいんだけど、
寝かせようとすると嫌がるから・・・


翔ちゃん、いない!! って泣いちゃってさ。


どうやら、翔が帰ってくるまで、
寝たくないということらしい。


今自分の前に翔がいないことが、
不安でしょうがないんだろうね。





智「ゆいちゃん、お布団にごろんってしようか。」


結「やっ、やっ・・
ふぇっ・・・しょ、ちゃ・・ない・・」


智「うん。翔ちゃんお仕事ね〜
お外が暗くなったら帰ってくるよ〜」


結「んっ、んっ・・しょ、ちゃ・・ぱっく・・ない?
・・・がおっ、ね・・・がぶ、ってね・・・」


智「ん? なあに?」


結「うっ、ふぇっ・・しょーちゃ、し・・じゃっ・・
・・ふっ、ふっ、ふえ〜ん」



ポツポツ話し始めたと思ったら、
思い出したかのように泣き出した。


これはもう、しっかり話を聞いてやらないとダメそうだな。

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作者名:ちさ | 作成日時:2013年5月17日 17時

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