パパが治してあげようね *ARS* 6 (ページ15)

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しょーちゃん、行っちゃダメ!!　3　(結) ページ15

和也Side

智「はい、おててのもしもしおしまーい。
次はお胸ね?」

結「んっ、んっ・・たい・・たい・・」

和「ん～? 痛い? ぽんぽんするだけだよ～」

手に聴診器を当ててやりながら2人であやして、
ようやく落ち着いてきたゆいちゃん。

落ち着いてきたというよりは、
力尽きたと言った方が正しいかな。

泣くのだって体力使うもんね。
ゆいちゃんにとっては大仕事だ。

和「よ～し、上手にできた～
えらかったね～」

まだふんふん鼻を鳴らしてたけど、
暴れなかったから上出来。

頑張ったゆいちゃんは、
智にぃの腕の中でうとうとしだした。

智「あら。限界がきたかな?
音、大丈夫そう?」

和「ん・・ちょっと痰が絡まってる感じだね。
このままじゃ苦しいかな・・・」

智「邪魔になれば勝手にゲホゲホするだろうし、
今は様子を見ようよ。
どうしてもってときは、吸引してやればいいしさ。」

和「うん、そうだね。
呼吸だけ気を付けて見ててあげよっか。」

本当は咳して外に出せちゃえばいいんだけど、
小っちゃい子にやれって言っても難しいだろうから。

とりあえず今は寝れてるし、そっとしておいてあげよう。

智「このまま僕がゆいちゃんみてるからさ、
和は休みなね?」

和「えっ、だめだめ。
智にぃこそ寝てないんだから。俺がみるよ。」

智「え～、平気だって～
それに、和だけゆいちゃん独り占めなんてずるいでしょ?」

まつ毛を涙で光らせながらスースーと眠る
ゆいちゃんの頭を愛おしそうに撫でた智にぃは、

そのままそっと抱き上げて、
自分の部屋に連れて行ってしまった。

俺が必死でとめてるのに、
大丈夫って、それしか言わないから・・・

結局は俺が根負けしちゃったよ。

今夜は俺が看るって、しつこいくらい言ったのに、
それ以上に智にぃの方がしつこいんだもん(笑)

勝ち目のない俺はしょうがなく布団の中に入ったけど、
隣の智にぃの部屋からは、
時々ゆいちゃんの咳き込む声が聞こえてくる。

これじゃあ、智にぃは寝れないだろうな・・・

こうなることがわかってたから、
俺の部屋からゆいちゃんを連れて行ったんだろうけど。

智にぃの気持ちはありがたいけどさ、
気になっちゃって寝れやしないよ。

・・・なんて、そう思っていたけど、
仕事で疲れた身体は正直だったようで。

瞼が重くなってきたと思っていたら、
いつのまにか眠ってしまっていた。