パパが治してあげようね *ARS* 5 (ページ23)

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膀胱炎　12　(翔) ページ23

翔Side

智「熱もないし、もう大丈夫だね。
いーい? くれぐれも無理は・・・」

翔「わーかってるって。
無理はしません。
ちゃんと水分取ります。
たくさんトイレにも行きます。
休憩もします。」

智「はい。よく言えました(笑)」

ようやく熱が下がって痛みもなくなってきた俺は、
数日ぶりに出勤を許可された。

智にぃに逆らったら、
何されるかわからないからね(笑)

なんか病院ですっげぇ怖い思いした気がするんだよ・・・

曖昧な記憶だけど。

でも、言うことは聞いとかないと、
とはすごく思うんだよね。

なんだろ・・・本能?(笑)

翔「ねぇ、智にぃ。
あの日さ・・俺、なにした?」

ちょっと怖かったけど、気になって聞いてみた。

智「知りたいの?(笑)
熱が高かったからね。不安になっちゃったんだよ。」

え? それだけ?

と思ったのもつかの間、
衝撃的な言葉に俺は目を見開いた。

翔「何してくれてんだよ、智にぃーー!!」

智「だって、しょうがなかったんだも～ん。」

“尿カテ、入れようとした”

そんな恐ろしいことをサラッと言った智にぃに、
俺は頭を抱えた。

智「僕が何度採尿してきてって言っても
聞いてくれなかったから～

本当は職権使って
脅すようなことしたくなかったけどさ。

でもあのままだと、
溜めすぎて膀胱破裂しちゃうから(笑)」

翔「迷惑かけたのは、申し訳ないと思ってますけど・・・
でも、尿カテなんて!!
あんな長い管突っ込むなんて!!」

智「だから入れなかったって(笑)
最初からやるつもりなんてなかったんだから。

ほら、こんなことしてると遅刻するよ～
はい、いってらっしゃ～い。」

上手くかわされた・・・

こんなことするなんて、
それほど俺が迷惑かけたってことなんだろうけどさ。

マジでもう同じことが起こらないように、
気を付けないと。

.

浩「あぁ!! しょーせんせー!!」

翔「おぉっ、コーくん。
また脱走かぁ?(笑)」

病院に着いて外来に行く途中、
遠くからコーくんが走ってきた。

久々に会った彼を、優しく抱き上げる。

熱で辛いとき、コーくんの手紙を読み直した。

苦い薬にうんざりしていた時、
あの時の約束を思い出した。

今回は、この子の笑顔と優しさに助けられたな。

翔「ありがと、コーくん。」

浩「おかえり、しょーせんせー!!」

俺を見上げながらニィーって笑った顔が太陽みたいで、
俺の心はまた、ポカポカになった。