膀胱炎 7 (翔) ページ18
智Side
智「つらいねぇ。
早く下がってくれるといいんだけどね・・・」
こうすけ君からの手紙を大事そうにしまって
安心した様子で眠った翔は、
その日、一晩中うなされることになってしまった。
とりあえず発熱のピークは越えたけど、
まだ下がる様子はない。
智「ちょっと汗かいてきた?
水分取っとこうか。飲める?」
翔「・・・んーん。」
智「もうずっと何も飲んでないんだよ?
少しでいいから水分取らないと。」
翔「・・・いら・・ない」
ん〜、困ったね。
何回もトライしてるんだけど、
一度も首を縦に振ってくれない。
翔「んっ・・んん・・」
智「・・・ん? トイレ、かな?」
僕から顔を背けていた翔が、もぞもぞしだした。
熱が高いから、動くの怠いのかな?
だからトイレが近くならないように、
水分取らないようにしてるのかもね。
智「行ってこようか。起きれる?」
翔「いい・・・やだ・・・」
智「え? 起きるの辛いんだったら、手伝ってあげるよ?」
翔「いい・・・といれ・・じゃない・・・」
それは嘘だ(笑)
明らかにトイレ我慢してますって動きしてるもん。
智「ほ〜ら、おんぶしてってあげるから。」
翔「ちがう・・・ちが・・う・・・」
智「違くない(笑)
どれ。膀胱張ってんじゃない?」
翔「いっ!!・・・ぅぅ・・・」
智「えっ・・・え?」
あまりにも否定してくるから確かめてやる!!
と思って軽く下腹部を押したら、
翔が呻き声を上げてびっくりした。
翔は僕の顔をチラッと見て布団の中に隠れてしまって、
よけい怪しさUP(笑)
とりあえず、一つの可能性を確信に変えようかな。
智「お腹、痛いの?」
翔「・・・んーん。」
智「最近、トイレ我慢したりしてなかった?」
翔「・・・んーん。」
智「トイレが近くなったりしてたんじゃない?」
翔「・・・んー・・・ん。」
智「トイレに行くとお腹痛くなるから、
行きたくないんだ。」
翔「・・・ん・・・ん。」
智「だから水分取りたくなかったんだね?」
翔「・・・・ん・・」
僕の質問攻めに、翔も勢いがなくなってきた(笑)
これは、肯定ってことで、いいのかな?
智「痛くなったのは最近?」
翔「・・・・ん・・」
智「そっかぁ。
熱もあって苦しいのにね。
お腹まで痛かったら不安だね。」
そっと頭を撫でたら、眉を下げた翔が僕の顔を見てきた。
へーき、へーき。優しくするから。
今怒ったら、確実に泣かれちゃうもん(笑)
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作者名：ちさ
| 作成日時：2013年3月23日 18時
