胃腸炎 12 (雅・和) ページ44
智Side
智「落ち着いた?」
雅「ん・・・・・・・」
智「はい。じゃあ横になろうか。
力抜いてていーよ。」
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ぐったりしている雅紀の首の後ろと背中に腕をまわしてゆっくり後ろに倒してやると、
雅紀がふぅ〜っと大きく息を吐き出した。
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嘔吐してもがいてる和の体を抱き起して支え続けたわけだから、そうとう体力使ったと思うし。
しかも自分まで吐いちゃったからね、よけいに疲れたんだろう。
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目をつぶって今にも寝そうなところ悪いんだけどね・・・
まだちょっとやっておきたいことが・・・
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智「あの、雅紀・・・身体に水分補給してあげてもいい?」
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いきなりの僕の言葉に雅紀の目がパカッと開かれる。
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小さく何度も首を横に振ってる雅紀に、
僕も“ん〜”って困った顔をしながら小さく首を振って返した。
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智「嫌だよねぇ。嫌なんだけどさぁ・・・
全然水分取れてないでしょ?
だから・・・・」
雅「じゃっ!!・・・・みず・・・のむから・・・」
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智「水飲む?」
雅「のむぅ・・・・・
・・・から・・・いたいの・・やめよぉ?」
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智「やめるの?
う〜ん・・・そうしてあげたいんだけどねぇ。
ん・・・・・ちょっと待ってねぇ・・・・・」
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泣きそうな声を出している雅紀を横目で気にしながらも、
僕は着々と点滴の準備を進めていった。
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だって今まで、飲めっていっても一滴も飲んでくれなかったんだよ?
“気持ち悪くて飲めないよぉ”って言ってた子が、急にガブガブ飲めるわけないでしょう?
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智「よしよし、ほら、元気注入〜。」
雅「あぁ!! やだってぇ!! もうっ!!!」
智「おっ・・・・・・・」
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もう流れでいっちゃおうと思ったのに。
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腕を掴む僕の手を弾き飛ばしてそのまま布団にもぐりこんだ雅紀は、
指で突っつかれたダンゴ虫のように丸まって、腕を中に隠してしまった。
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これはあれかな・・・自然に開いてくるのを待った方がいいのかな?(笑)
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年12月8日 20時
