胃腸炎 7 (雅・和) ページ39
翔Side
松「翔、和くんの口開けて?」
翔「えっ?・・・あぁ、はい!!」
.
俺がどうするか迷っていると、松岡先生が手袋をはめながら和の顔をのぞきこんだ。
.
いつの間にか和の下着とズボンはもとに戻されていて、腰にはタオルもかけてある。
松岡先生・・・仕事がはやすぎる・・・
.
.
.
松「和くん、お口あー。」
和「んっ・・ｳｪ・・・やっ・・・ｱｯ・・・」
.
松「翔、ちゃんと頭固定しとけよ?
よしっ、ちょっと頑張っちゃおう。」
.
和「ｸﾞｯ・・・んあぁっ・・・ｵｪ・・ｹﾞﾎｹﾞﾎｯ・・ｳｪｪ・・」
.
松「はいはい。もう大丈夫だ。
よく頑張った。」
.
.
先生の指がスッと口の隙間から入りこんだ瞬間、勢いよく和が吐き出した。
突然のことで泣き出してしまった和も、
一度吐いて楽になったのか、すぐに落ち着きを取り戻した。
.
.
.
.
和「ん・・・・ｽｰ・・・ｽｰ・・・」
.
隣の部屋のベッドの上に移動した和は、
あっという間に夢の中。
泣いて暴れて、疲れちゃったんだろうな。
.
.
看「ここは私がみておきますので。
嵐谷先生は診察室に戻られた方が・・・」
翔「あぁ、すいません。
何かあったら呼んでください。」
.
そうだ、まだ雅紀が終わってなかった。
.
.
俺は和のことを看護師さんに任せると、小走りで診察室に戻った。
.
.
.
松「よし、そうだそうだ。
えらいなぁ。もう少し開けて?・・・あー。」
.
診察室の光景を見て、俺は固まってしまった。
.
なんで雅紀が泣いてない・・・
なんで暴れずにおとなしく診察受けてるんだ・・・
.
いや、本来なら嬉しいことなんだけど・・・
あまりにもあり得ない光景に、俺はしばらく動けずにいた。
.
.
.
松「おっ、翔。そんなとこに突っ立ってないで、はやく雅紀くんのそばにいってやれ。」
翔「あっ・・・はい。」
.
松岡先生、どうやって雅紀を泣き止ませたんだ・・・
.
.
松「よしっ、ちょっとお腹触らせてなぁ。
ここ、痛くないか?」
雅「ん・・・・ｯｱ・・・いたいっ・・・」
.
松「うん、ごめんごめん。
あぁ、こらこら。もうちょっとだから動かない。」
.
雅「あぁっ・・んっ・・んっ・・・・・」
松「もう頑張れないか?」
.
雅「んっ・・・ｸﾞｽｯ・・・も・・やだぁ・・」
松「ん。じゃあ止めよう。約束だもんなぁ。」
.
.
や・・・約束・・・?
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 448人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちさ
| 作成日時：2012年12月8日 20時
