胃腸炎 5 (雅・和) ページ37
翔Side
和「んっ!! んんー!! しょーにぃ!!」
翔「大丈夫、大丈夫。
すいません、先生。それ、ちょっと・・・・」
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松「ん? あぁ、舌押さえるのダメ?
そっか。ごめんなぁ、和くん。
ほら、これ使わないから。ちゃんと前向いて。はい、よいしょ。」
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逃げようとしてベッドからずり落ちそうな和を軽々と持ち上げた先生は、
きちんと座り直させると、そのまま手を頬に移動させた。
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松「口開けて。あーん。」
和「んーん・・・・・」
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松「ん〜? 喉診るだけだぞ。
はい、大きく開けて。」
和「んっ・・・・やっ・・・・ｸﾞｽｯ・・・」
.
松「ダメ、やじゃないよ。開けなさい。
痛くも苦しくもないんだから。
はい、あーん。」
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優しい声だけど厳しいことをいう先生に和も困惑気味。
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これ以上逆らうとヤバいと感じたのか、和の口が小さく開かれた。
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松「そ〜だ。なんだぁ、上手にできるじゃないか。
ほら、もうちょっと大きく開けて。
うん、そうそう。
あーって言ってごらん? あー。
・・・・はい、よくできた。おしまい。」
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和の頭にポンッと手を置いた先生はスタッと立ち上がると、俺にも立ち上がるように促した。
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松「翔、ちょっとそこ空けて?
和くん、ベッドに横になろうか。」
和「ﾝｯ・・・・なにっ・・・・する?」
.
松「何すると思う〜?
痛いことするかな? 注射されちゃうかな?」
和「ｸﾞｽｯ・・・ちゅーしゃ・・・やだぁ・・・」
.
松「ねぇ〜。
先生も注射はいやだなぁ。
痛いことも嫌いだ。
だから和くんにも痛いことはしない。ね。」
和「うん・・・・・ｸﾞｽｯ・・・」
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松「うん。じゃあ鼻かんでから横になろう。
はい、どうぞ。あっ、ゴミ箱ここね。」
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いやぁ・・・松岡先生すごいわ・・・
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あの和のグズグズを難なくかわしていく。
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松「はははっ。だいぶ鼻水たまってたなぁ(笑)」
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.
松岡先生に渡されたティッシュでチーンと鼻をかんでいる和は、
表情を見てもだいぶ落ち着いてきたようだった。
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.
俺らでも落ち着かせるの、苦労するのに。
.
さすがです、先生。
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年12月8日 20時
