喘息、再々発!! 4 (翔) ページ16
翔Side
翔「ｹﾞﾎｹﾞﾎｯ・・・ﾝﾝｯ・・・ｾﾞｰ・・ｾﾞｰ・・・」
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和に片づけを代わってもらった俺は、
なかなか治まらない咳にイライラしながらも、自室への階段を駆け上がっていた。
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なんだか嫌な予感がする・・・
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この咳の出方・・・
少しずつ感じる呼吸時の違和感・・・
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俺はドクンドクンと忙しない鼓動を落ち着けるように、薬とともに大きく息を吸い込んだ。
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翔「ｹﾎｯ・・・ふぅ・・・・・」
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吸入薬を吸ってしばらくすると、だいぶ落ち着いてきた。
ということは、さっきのはやっぱり発作・・・・・
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落ち着いたはずの鼓動がまた速くなってきた。
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どうする・・・これが・・・大発作の前触れだったら・・・
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“翔の場合は、また大きな発作が起こるかもしれない・・”
って、前回の発作の時に智にぃに言われていた。
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どうしよう・・・
このことを智にぃに言うべきなのか・・・
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“何かおかしいと思ったらすぐに僕に言うこと!!”
絶対に約束して、と、智にぃにはきつく言われていた。
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だけど、さすがに今のタイミングでいうのは無理だろぉ・・・
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大丈夫・・・きっと熱があるせいだ。
熱さえ下がれば、もう発作なんて起こらない。
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・・・なんてことを思っていた俺は、のんきだった。
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それから2日後。
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何度か怪しい咳はでていたものの、呼吸困難になるほどでもなく、
さらに熱も下がったことで、俺はすっかり発作のことを忘れていた。
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結心とAはというと、熱もほぼ下がり、今はリビングでゴロゴロしている。
俺は今日休みだから、一日2人のお世話係ってわけ。
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翔「A〜、ここにご飯置いておくから・・・・・一人で、食べられるよね?」
「う・・・・ん・・・・・」
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翔「ん〜・・・・ちょっと待っててくれれば、一緒に食べられるけど。
俺は先に結心におかゆ食べさせちゃうから。
・・・・どうする? 後にする?」
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「うん。待ってる。」
翔「ん。
じゃ、ゆいちゃん。ちょっとおっきしよう。」
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なんだか寂しそうな顔をしているAを心配しながらも、
結心を抱き上げて片手にスプーンを持った。
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年12月8日 20時
