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ガラガラ声 10 (和) ページ22

智Side


智「本当にそこでいいの?こっち座る?」

翔「これでいいよなぁ。座り心地いいでしょ?」


ベッドに上がった翔に後ろから押さえられている、不機嫌和くん。

帰ろうとして言うことを聞かなかったから、翔がベッドに座らせて抱っこするように固定しちゃったんだ。

本気で逃げようとしていたわけじゃないからね。
機嫌が悪かっただけだから、こういうときは甘えさせちゃうのが一番早いってお兄ちゃんたちは知ってるんです。


和「そっちがいいけど…動くのめんどくさいからここでいい…」


診察用のイスに座るかっていう僕の質問にこんなふうに答える和は素直じゃない。
不満そうな顔をしているのに身体は完全に翔に任せてるもんね。

ガッチリした大きな胸にもたれて、「汗かいてんじゃん」って前髪をかきあげる翔にされるがままだ。


翔「背中も汗かいてる?ちょっと暴れすぎたね。
寒かったら言うんだよ。汗ひいて冷えたままにしとくと風邪ひくから」

和「翔にぃくっついてるから暑いんじゃん。汗かいたって仕方ないもん」

翔「ははっ、そっか。ごめんごめん」


和ったら、『翔にぃが俺にくっついてる』っていうスタンスは崩さないんだね(笑)


翔「はい、おでこ丸見え〜」

智「ふふ。ティッシュだけど許してね」


翔が前髪を上げてくれている間に額の汗を拭いてやって、それから少しの間まったりタイム。

撫でている肩にコテンと頭を乗せている和は、だいぶリラックスしてきたみたいだね。


翔「くすぐったいって〜」

和「んふふ。だって翔にぃの肩滑るんだもーん」


滑り落ちないように首の方に頭を傾けているもんだから、髪の毛がもろに顔に当たっちゃってる。

身を震わせるお兄ちゃんを楽しむのように、身体を左右に揺らしながらわざと髪の毛を擦りつけている和は、弟っぽさ2割増しだ(笑)


智「よし、じゃあ準備も整ったし、そろそろはじめようかな〜」

翔「えーもうやるの〜?まだ早いよなぁ」

和「なぁ〜」


ちょっとちょっと。
和が言うならまだしも、それは翔がいうセリフじゃないでしょう(笑)

「ははは」「んふふ」って2人して笑っちゃって。
翔は僕に協力するために来てくれたと思ってたんだけどな〜


智「終わったら2人でいくらでも楽しんでいいから。
こっち向いて〜。あーん」


機嫌がいいうちに勢いで喉を見てしまおう作戦。

ペンライトを構えながらあーってした僕につられて口を開けてくれた和に「よし、いい調子だ」って心のなかでガッツポーズをした。

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作者名:ちさ | 作成日時:2014年6月28日 23時

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