小学生のまーくん 12 (雅) ページ12
雅紀Side
育て方も考え方もそれぞれだから、俺のやり方を理解してもらえないことがあるってことはわかってた。
でもやっぱ、見なくていい泣き顔を見るのは悲しいよね。
智「来週もまたくるんでしょ?」
雅「うん、予定はね」
翔「そっか。今回は勘違いされちゃったけどさ、雅紀は間違ってないと思うよ。
自信持って。自分の考え、ちゃんと伝えてみたら?」
雅「でも…俺、信用されてないから…」
そもそもちゃんと来てくれるのかもわからないし。
虫歯あったから、ちゃんと治してあげたいんだけど。
翔「雅紀はこれからも今まで通りにやればいいんだからな。
笑顔で優しい雅紀先生だから、みんな好きって言ってくれてるんだよ」
雅「そうかな…どちらかというと嫌われてると思うけどな、俺」
翔「まったく、こういうとこばっかり鈍感なんだから。
雅紀の評判はいろんなところで聞いてるよ。
みーんな、笑顔で雅紀のこと話してる」
そんなの自分じゃわかんないもん。
本当なのかな。
少しでも地域の人達の役に立ててるなら嬉しいけどさ。
智「また来てくれたら、その時は出来るだけ話をしてみようか」
雅「うん…」
智「元気出して?
大丈夫。雅紀の気持ちは、お母さんに伝わるよ」
雅「智にぃ…」
もう…ほんとに、変わらないよね。
変わらないことが、俺を安心させてくれる。
手、あったかいな。
両隣には寄り添って微笑んでくれる変わらない存在がいる。
そうだ…今までだってこうして一歩を踏み出してきたんだ。
クヨクヨ悩んでたってしょうがないよね。
雅「そっか…そうだよね…
ありがと。俺、元気になったよ!!」
翔「ははっ。そっかそっか。よかったなぁ〜」
雅「うん!! おーー!!」
和「雅にぃ〜、うっさいって〜」
ごめーん。
暗かった気持ちを吹っ飛ばすように復活の雄叫びをあげたら、和にうるさいって怒られちゃった。
雅「あ、そうだ和。一ノ瀬さんって知ってる?」
和「え? 一ノ瀬?」
雅「聞いたことない? 同じ大学で、看護だった子」
和「いちのせ…いち…はっ…ああ!!」
翔「一ノ瀬って、あれだよなぁ。和が恋してたっていう…」
和「あ゛ー翔にぃ!! それただの噂だから!!」
翔「彼女だったっけ?(笑)」
和「違うって!!」
雅「俺ね、今日その人と話したんだ〜」
和「マジ!? あ、いや…そうなんだ」
こんなに慌てちゃって、和ったら可愛いなぁ。
せっかくだし会えたらいいのにね。
俺が手握って勇気分けてあげるからさ、会いに行ってみる?(笑)
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作者名：ちさ
| 作成日時：2014年6月28日 23時
