伍拾陸の目 ページ6
さてと…どこまで逃げたんだあの餓鬼は
昼間から情報収集をして夜に向けて準備を進めていたのに、いきなり相方の鴉から有一郎の脱走の報せを聞いて茶を吹いた。
せっかく美味い団子と一緒に飲んでたのに台無しである。
俺の巡回経路のどこかにいるのはわかるのだが…もしこれで産屋敷邸に迷い込んでたらどうしよう。
俺の住む屋敷は蝶屋敷の次に産屋敷邸の近くにあるからな
もしあそこで彼と再会してしまったら…なんて考えても何も変わらないよな。
とにかくダッシュで屋敷に直行するが道中誰にも合わなかった。
『…仕方ない、あれを使うか』
左手の器具をいじって天に向けて掲げると指の曲がる勢いと共に無数の糸が放出された。
辺りは竹林や木々が山々に囲まれた場所
その辺の木に絡みついて周囲の音を聞きとるのだ。
そうやって今までやってきた。
『こっちか…！』
おいおいまじかよ…こんなことがあっていいのか？
俺は双子の奇跡を舐めていた。だから残酷な現実を今の有一郎が見るはめになる。
それだけは…ダメだ
すぐに糸を巻き取って特定した方角を向くと呼吸を駆使して走り出した。
もう夕方になるという事は無一郎が任務に出掛ける時間であってもおかしくはないんだ。
『いた…無一郎！
……あっ…。』
最悪だ
ようやくたどり着いた先にあった光景は俺の見たくない光景
容姿のそっくりな二人の影がこちらを見ていた
しかし、虚ろな目をする弟に対して兄は
真っ青な顔で俺を見ていたのだ
｢これ…どういうこと？｣
12歳になる子供にはあまりにも辛い出来事
俺は守れなかった…身体どころか心すらも
『……無一郎、君は今から任務だろう？
気をつけて行ってきなさい』
｢なんでそんなこと言うの？人の心配よりも自分の心配を優先するべきでしょ。｣
相変わらず辛辣だな
とにかく行ってこいと言って手を振ると兄の抑止を無視して夕方の影の中に消えていった。
これでいいのだろうかなんて分からない
でもこれからやるべき事は…
｢お前…ずっと無一郎の事を隠してたのか？｣
怒りの矛先が俺に向けられてる状況をどうにかしないとだよな。
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シロヌコ(プロフ) - サイステ先輩が推しになりそうというか推しましたありがとうございます (2022年12月2日 16時) (
レス) @page47 id: 09da8bad9a (このIDを非表示/違反報告)
何でもないひとだよぉ(プロフ) - なんか面白そうなタイトルじゃんと思ってみたらなんなんですか…くそおもろいじゃないですか！応援してます。更新これからも頑張ってください！！！！ (2022年11月16日 21時) (レス) @page44 id: 9cea2e06fa (このIDを非表示/違反報告)
オタク - 読む前「何か面白いタイトルやー」読んだあと「は？面白すぎんだろ。、、天才か？」サイコロステーキ先輩だって事忘れる面白さ。これからも頑張ってくだせい！！ (2022年10月9日 19時) (レス) id: da08d8ca50 (このIDを非表示/違反報告)
美奈(プロフ) - 成り代わりが読みたくて探していたらまさかのサイステ先輩の成り代わりに驚き、読み始めたら面白くて止まらず、ここまで読んでしまいました…控えめに言って神…続き楽しみにしてます！ (2022年8月6日 21時) (レス) @page18 id: 654a1bab90 (このIDを非表示/違反報告)
ロックマ - この作品最高です!!これからもがんばってください!!!!! (2022年7月13日 23時) (レス) @page2 id: 7ddd684455 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：またたびはまた | 作成日時：2022年7月12日 20時
