92話 ページ43
バトルが楽しい、血がマグマのように熱くなって興奮が止まらない。
次はどんな手で相手を圧倒させようかなんて考えを巡らせながらリザードンに指示を出しているうちに一瞬だけ我に返る時があった。
いつの間にか周りに人やポケモンが多く集まって私と兄様のバトルを見物していたのだ。
それだけで私にとってはストレスの爆弾である。
人の言葉やポケモンの鳴き声が耳から入ってきて更には頭に響くポケモンの言葉。
たくさんの種類のポケモンがいるほどに私は頭が痛くなってくるのだ。
だからなのだろう
膝を着いて苦しむ私を守ろうと、かえんほうしゃで周りの見物者達を追い払おうとしたリザードンにぎょっとした。
『相手を傷つけてまで物事を解決しないで！
私は…大丈夫だから…。』
青ざめた顔で言ったところで説得力がないのなんてわかってる。
それでも何かしら伝えないとリザードンは止まらないと判断したからだ。
迂闊だったな…だいたいここはカントー地方の中心部だから人が沢山いて当たり前だわ。
ワ｢ここは私の勝ち……と言うには些か不満が残る試合だな。｣
『申し訳…ありません。』
自分のリザードンをボールにしまい私に近づくのはいいけどあまり喋らないで欲しい
すごくうるさくて適わんのだ。
それを察したリザードンは兄様から私を遠ざけようと抱き寄せて羽で守りながら威嚇してた。
ワ｢…何故そこまで酷い不調でありながら試合を？｣
『それは…！』
言えない
私の秘密をこんな所でうち明かすなんて絶対に嫌だ。
兄様の言葉と私の反応を見てリザードンは余計に怒った。
〈妹の事情を理解していない時点で兄としてどうかと思うわよ…！
やっぱりこの兄ごとここら一体を火の海にしても…〉
『(こっわ……うちの子怖)』
フードを被ってリザードンが盾になってくれたおかげで少しだけ楽になった気がする。
ゆっくりと立ち上がってリザードンの顎を撫でると、彼女は潤んだ瞳でこう言ってきた。
〈帰ろう…そしたら気持ちも楽になる。
マスターはワタルのせいで苦しんでるから…離れた方がいい。〉
確かに間違ってはいないけど
私はリザードンにありがとうを伝えてボールに戻すと、兄様に研究所に戻ると伝えた。
『ではお仕事頑張ってください』
ワ｢…送っていく、そんな体調不良の状態でひとりで帰す訳にもいかない。｣
余計に離せなくなったよ畜生
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めいめい - この作品好きすぎてやばい… (2022年3月7日 1時) (
レス) id: 73de415c6e (このIDを非表示/違反報告)
ぬこの妖精(プロフ) - あまねさん» まじでこの作品に出会わなかった自分が馬鹿馬鹿しく見える (2022年1月23日 13時) (レス) @page27 id: 4cd21e436e (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの？私バカなの？((((喧しいわ (2021年11月22日 10時) (レス) @page17 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください (2021年9月16日 1時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
夏海(プロフ) - この作品好きです！更新頑張ってください! (2021年8月28日 22時) (レス) id: abdd5dc6bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：またたびはまた | 作成日時：2021年8月28日 21時
