[ポケモン]捨て子から始まる異世界転生物語Ⅱ (ページ24)

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七十四話ページ24

エイパム山に繋がる上り道を歩いていると、見えてきたのは小さなテントのような家

形や色からしてコンゴウ集落にあるものと同じようだが、ぽつんとひとつあるだけだ。

｢こんにちは！ススキさんのお宅でお間違いないでしょうか？｣

扉をノックして中に誰かいないか確認すると、か細い声が聞こえてきた。

ガラリと扉を開けて出てきたのはコンゴウ団の服を身に纏う男だった。

優しそうな表情と声からして臆病者のようだ

｢ススキさん、あなたは水を司るイダイトウというポケモンを世話するキャプテンとガラナさんからお聞きしました。

火吹き島に行くためにも、イダイトウに認めてもらうために力を貸してください！｣

彼の熱意は十分伝わっているが、押されている所もあるようだ。

ススキは心臓の辺りを抑えながらも、彼に説明をした。

｢カミナギの笛を持つギンガ団のテルさん…イダイトウに認めてもらうためには好物を用意しないといけないのですが、あれは調理がかなり大変と言いますか…無理といいますか……。｣

曖昧な言葉遣いに首を傾げるテルは何が無理なのだと聞いた。

すると怯えた表情を浮かべながら、用意すべき好物のひとつは自分が持っているがもうひとつが厄介なのだと教えてくれた。

｢もうひとつの材料が僕には絶対無理なものでして…夜に捕まえるべきポケモンがいます。｣

それは彼にとっては口にするのも恐ろしいポケモン

サから始まってルで終わるゴーストポケモンのあくのはどうという技が味付けになるらしいが、テルは首を傾げた。

｢サマヨールの力が必要なのにサマヨールが苦手とは…

よくイダイトウの世話が出来ますよね。｣

これは彼の心臓にクリティカルヒットする程の毒である。

兎にも角にもイダイトウの好物を得るためにテルが出来ることはあくのはどうを覚えたサマヨールを捕まえて力を借りることだ。

やるしかない、そう決心した。