梶井さんと紅葉さんが駄弁るだけリターンズ〜暴走する檸檬と紅葉の協奏曲〜

今宵もガールズ☆トーク ページ29

とある女性向けチャットアプリの中。


「それでは皆様、本日もルールを守って楽しくチャットいたしましょう」


様々なアバターたちが談笑している。
このルームに居るのはいつもの5人。ユーザーネームは「お兄様大好き」「二日酔い」「おとうふ」「K命」「心は乙女」
いつものメンバーでチャットする女子たちの中に、また一人誰かがやって来た。


「初めまして！『れもねーど☆』と申します！」


「おや、新顔じゃのう」


「宜しくね……」


「はじめまして、れもねーど☆さん。私たちと楽しくお喋りしましょうね！」


「こんばんわ〜」


「宜しく！」


きゃっきゃと燥ぐ乙女の中で、「れもねーど☆」はとても愛くるしい仕草をしていた。
と、ここで「お兄様大好き」が皆に声をかけた。


「ではそろそろ、恒例の御悩み相談会でも始めましょう！」


「相談会？」


「れもねーど☆は何か悩みでもあるかい？妾らが相談に乗るよ」


「二日酔い」の言葉に、「れもねーど☆」は最近の悩みを相談してみることにした。


「……実は、凄く尊敬している男の人が居るんです……その人は、あたしを支えてくれる、とっても優しい人で……その、あたしはその人が好きなんです！」


「ほうほう、恋の悩みかい」


「乙女でしたら、誰しも恋をするものですわ」


「れもねーど☆」は俯き気味に話を続ける。


「思いを伝えようか、迷っていて……実は、その人は小学生以下の女の子にしか興味がないみたいなんです……」


「「「そいつはやめとけ」」」


「お兄様大好き」「二日酔い」「K命」の声がハモッた。


「明らかにロリコンじゃろう、それは！そやつの歳は幾つじゃ！？」


「アラフォー、です……あっ、あたしは28なんですけどね」


「明らかに犯罪者の匂いしかしないねェ。アンタもその年なら、早く一人立ちした方が善いよ」


「正直、ロリコンは……」


「何故皆さんそんなことを云うんですか！？仮令振り向いてくれなくとも、惚れてしまったものはしょうがないでしょう！？」


「『心は乙女』さん……貴女だけは僕の気持ちを解ってくれるんですね！」



「……僕？」


急に変わった「れもねーど☆」の一人称。その場が一瞬凍り付いたようになる。


「……えっ、あっ、ごめんなさい！別のネットゲームで男としてやってるから、つい癖で……」


「……そうでしたか、それなら大丈夫です！」


いつもの研究室のパソコンの前で、「れもねーど☆」こと梶井がほっと胸をなでおろした……

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