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「全部私のエゴなんだよ…
だから
櫻井は悪くない」
俺の胸に顔を埋めたままAは話し続ける
「ごめんなさい
こんな卑怯者の私は櫻井には相応しくないから」
Aの腕のチカラがゆるんだ
ダメだ
「無理っつってんだろ?
もう離さねぇよ」
再びチカラを込めて少し離れたAを胸にキツく沈める
「櫻井…」
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もしも
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もしもあの時…
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なんてモンはこの世に存在しない
「言っただろ?
過去の経験が未来を作り今の俺らが存在するんだ。
だから
Aは悪くないし間違いじゃないよ?
むしろその経験のおかげで、これから俺らは必ず上手くいくハズだ。
無駄な事なんて何もない
また
ここから新たに始めればいい
この12年をこれから埋めて行こう」
優しくAの髪をなでる
そして
その髪にキスをする
「………ごめんなさい
ありがとう…」
そう小さく言うAに
「ん」
と答える
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「ねぇ
顔見せて?」
俺の胸の中に顔を埋めているAにお願いする
「…無理…
こんな至近距離で櫻井見れないよ…」
そう言って
余計ぐっと俺の胸に顔を埋める
「ふはっ。
なんだよそれ
反則。
可愛すぎだろ」
本当ズルいな
Aを包み込んでいた両腕を解いて
Aの顔を両手ではさんで上に向ける
「ひどい…」
そう言って
目を潤ませているAと目が合う
全身が心臓になったみたいにバクバクしている
捕らえたつもりが捕らえられたのは完全に俺の方だ
《肉食動物に見つかった小動物みたいに
固まっちゃってんよ》
大野さんの言葉を思い出す
それも悪くないかもな
Aの瞳に吸い込まれるように
目を合わせたまま顔を近づけていく
そこからゆっくり鼻から唇へと視線を落としていき
瞳を閉じ
キスをする
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ほんの数秒の触れるだけのキス
それだけなのに
血管が沸騰するような感覚
「ふはっ
やべぇ…」
そっと顔を離して
目を開けると
すぐに俯くAが視界に入る
その仕草に
なんとも言えない切なさが込み上げて
思うがまま
再びぐっとAを胸の中に包み込む
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顔を埋めたままのAの耳元で
「好きだよ
ぜってぇ離さねぇよ」
もう一度宣言する
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ことら(プロフ) - 皆さまコメントありがとうございます。 (2018年11月3日 11時) (レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - はじめまして!毎回楽しく読ませて頂いてました!すごく面白かったです、これからも頑張ってください! (2018年11月2日 19時) (レス) id: 41dfb4f50b (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - お疲れ様でした! (2018年11月2日 18時) (レス) id: 57fa7283bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - しようちやんも大好きだよ (2018年10月22日 21時) (レス) id: 971a33d799 (このIDを非表示/違反報告)
ことら(プロフ) - まひうお様はじめまして。そう言っていただけるなんて光栄です。ありがとうございます! (2018年10月22日 17時) (レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことら | 作成日時:2018年10月13日 19時