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4. ページ4

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次の日
ゼミの初日




「あ」




仲間と講義が始まるまで輪になって話している時に



見つけた。




昨日の図書室の女。





まじか




同じ学部?





あいつは俺らの方には一切見向きもせず
適当に席を見つけて座る



前の方に座っている俺らより、ずっと離れた上の方に座るあいつを気にしながら喋っていると



「何?サクショウ。
気になる女でも見つけた?」


目ざとく気づく仲間に一瞬ギクリとしながらも


「は?
別に」


気づかれない様に視線を外す



けど
エスカレーター組の俺らにとって、外部の奴らはただでさえ新鮮で目立つ

その上



「あ
あの子可愛くねぇ?」


あいつは更に目立つらしい



「本当だ

あれ?サクショウが見てた子じゃね?」


こういう時だけカンがいい仲間に


「バーカ。ちげーよ」


そう言って
不機嫌な態度を取る



「だよなー。
サクショウはああいう正統派より、派手な感じの方が好みだよな?」



反対側にいた仲間が頷きながら言って来た



「あ?
うん。まぁな」


確かに。



自分で納得しながらも
その発言をした仲間に助けられた気がして内心ホッとする




.






授業が始まり講義を受けている間もあいつが気になってしまう




俺にああいう態度を取る女はそうそういない。



今でも。





大抵俺に話しかけてくる女は、いつもよりワントーン高い声で話し、自分を良く見せようとアピールしてくる。



.





そんな女達とは真逆の態度を取ってきて、更に作られた笑顔ではない、自然体な笑顔を見せたあいつがただ単に珍しかっただけだと思っていた。

その頃はまだ。





.








.





ゼミであいつに会うのが自分でも気づかないうちに楽しみになっていた。




相変わらず俺らには見向きもしない





.





それから一カ月が過ぎようとした頃
グループ分けで4グループになってディスカッションをする機会があり



「あ」



あの図書室で目があった時以来2度目。
あいつの視界に俺が入った。




グループごとに席に座った時に、俺を見てあいつがそう小さく声を出した




「あ」



俺も今気づいたフリをする





「…」



そのまま無言で隣に座る





「…」




「…その節はどうも」





ハニカミながらボソリと告げる


なんだか負けた気がしたが
それよりもあいつと話したかった





「…ふふっ

こちらこそ。


ゼミ一緒だったんだね」




そう言ってまたあいつは屈託のない眩しい笑顔を向ける
.

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ことら(プロフ) - 皆さまコメントありがとうございます。 (2018年11月3日 11時) (レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - はじめまして!毎回楽しく読ませて頂いてました!すごく面白かったです、これからも頑張ってください! (2018年11月2日 19時) (レス) id: 41dfb4f50b (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - お疲れ様でした! (2018年11月2日 18時) (レス) id: 57fa7283bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - しようちやんも大好きだよ (2018年10月22日 21時) (レス) id: 971a33d799 (このIDを非表示/違反報告)
ことら(プロフ) - まひうお様はじめまして。そう言っていただけるなんて光栄です。ありがとうございます! (2018年10月22日 17時) (レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ことら | 作成日時:2018年10月13日 19時

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