Remember Loving 【志麻】

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｢ 無事 付き合えることになった ｣


｢ ほんまに!? おめでとうございますっ ｣




愚痴やらなんやらを零して それを受け止めてくれた センラくんにも、報告を終えた。

嬉しそうにおめでとうと言われると、いつも通りを演じようとする俺も つい頬がアホみたいに緩んでしまう。




前だったら、…Aがそばにいてくれることが、Aが俺を好きでいてくれることが、

こんなにも嬉しかったのだろうか。




嬉しい気持ちはあったにしろ、

多分今みたいに 泣きそうなほどにとか、

胸が苦しいぐらいになんて、

想いやしなかった。






俺を愛した彼女が 俺の前からいなくなって、

当たり前のようにあった幸せがなくなって、

もういっそ 消えてしまおうかとも考えた。


けれど アイツは、

俺を愛したこと、俺の愛し方、俺に愛されたこと、

きっと全部 どこかで覚えていて。







＿＿＿だからきっと、こうしてまた 愛し合えたのだ。









｢ まだ、思い出したいと思うか？ ｣


｢ うーん… どうやろ、別にどっちでも ｣


｢ 前は思い出したい思い出したい言うてたのにな ｣


｢ それは志麻が 思い出したらまた愛してくれると思ってたから ｣







結局俺は、過去のこいつに囚われていたのかもしれない。

ほんとのほんとに こいつが俺を忘れていたら、

俺は 彼女を愛せていなかったのかもしれない。




もしも の話なんてしだしたら、全てなんとも言えへんけど。

でも、俺も こいつも、

きっとまた何かあって 何を忘れてしまったとしても、

目の前のこの人を愛したことは、きっと忘れずに 覚えたままなのだろう。

そしていつか、うっすらと 気持ちを思い出して、こうしてまた 愛し合うのだと思う。









｢ また忘れたら、今度こそ 志麻… 愛想つかすやろな ｣


｢ そんな何度も記憶なくされたら たまったもんじゃねぇな(笑) ｣


｢ でもきっと、何度でも 志麻のこと 好きになるんだと思う ｣


｢ …どうだかな ｣




同じことを考えて、感じて、想いあって。

こんなこと言ってる俺だけど、

俺だって 何度でも お前に恋をするんだと思う。





｢ まぁ、何度忘れたとしても 俺がまた 惚れさせてやるよ。…俺、イケメンやし？ ｣


｢ 自分で言うほど そうでもないよ ｣


｢ なっ!? ｣


｢ うそ(笑) ｣









この先も、きっと何度でも。

愛したことを 思い出して。

愛し合って、そして。

＿＿＿＿これからも、ずっと お前と。







( 完 )

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