標的125 ページ32
＊
「……抜け出しては来たものの」
廊下をキョロキョロと見回しながら、そう独り言ちる。
あれから、アジトの中を歩き回ること数分。
──私は、完全に迷っていた。
なんだこの基地……広すぎる……！
どこを見ても、似たような光景が広がるばかり。
自分の現在地すら分からない。
……とりあえず、誰でもいいから見つけないと。
若干の不安とともに、足の赴くまま進んでいく。
そうして、しばらく行った頃だった。
「！ここって、」
目の前に現れたのは、どこか見覚えのあるゲート。
確か……このアジトへ入った時も、似たような扉を通ったような。
ということは、この先は出口だろうか？
ようやく見つけた活路に、内心ガッツポーズを決める。
しかし、喜ぶのはまだ早い。
「虹彩認証、か……」
ゲートには、ご丁寧にもロックがかけられていた。
困ったな……ここまで来て行き止まりなんて。
どうにか開けられないものかと、ダメ元でセンサーを覗き込む。
まぁ、どうせ開くわけ──
『認証』
「いけるんかい！！」
モニターに浮かんだ“UNLOCK”の文字。
直後「ようこそ」と言わんばかりに開いた扉に、私は思わず声を上げた。
な、なんで！？
いつの間に登録なんて……いや、そもそもされてるはずが……
予想外の展開に戸惑いつつ、恐る恐る奥へと続く廊下を覗く。
その先に広がっていたのは──日本風の屋敷。
どうやら、私が通って来たゲートとは別だったようだ。
がらりと変わった風景に、ごくりと喉を鳴らす。
……他に進む道もない。
私は意を決し、ゆっくりと足を踏み入れた。
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オウリ(プロフ) - こまりさん» ありがとうございます~！近いうちに続編公開するのでお待ちください！ (6月14日 12時) (
レス) id: df42654abf (このIDを非表示/違反報告)
こまり - 凄く面白いです！続きが気になります…🤔 (6月14日 5時) (レス) id: fd7a7e37b1 (このIDを非表示/違反報告)
七粍(プロフ) - きーち1さん» お返事遅くなりました…！コメントありがとうございます^^*おかわりどうぞ！！！(笑) (2022年3月27日 21時) (レス) id: d69433a459 (このIDを非表示/違反報告)
きーち1(プロフ) - 展開、設定めちゃくちゃ好きです！！ご馳走様です！！続き早く読みたいです！！おかわりください！！！！！ (2022年2月28日 6時) (レス) id: a03c85b354 (このIDを非表示/違反報告)
微々(プロフ) - フランとベルさん» ありがとうございます〜！！^^*私もサクサク更新できるように頑張ります…！ (2021年11月18日 11時) (レス) id: d69433a459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オウリ | 作成日時：2020年11月29日 23時
