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「え、」
硬直した体に、思わず目を見開く。
なぜだか
「──がはッ！！」
「！？」
一瞬の浮遊感の後、無防備の背中が思い切り打ちつけられた。
私は成す術もなく、壁面を擦りながらその場に崩れ落ちる。
「……ぁ……ぐ、ぅ」
「A！」
「だ、大丈夫！？」
揺れる脳内に反響するくぐもった声。
明滅する視界には、駆け寄ってくる彼らの姿と、ヒビ入った壁からぱらぱらと落ちる破片。
……何が、起きたんだ。
体を起こそうとするも、痺れて全く力が入らない。
なんとか目線だけを動かせば、だらりと伸びた腕の先、ザンザスから受け取った銃から細い煙が上がっているのが見えた。
「見事に吹っ飛んだな」
困惑するツナたちとは対照的に、平然としたリボーンの声。
私の手に握られたものを見て、彼は興味の色を浮かばせた。
「それ、ザンザスのだろ？いいモン持ってんじゃねーか」
「はあああ！？ざ、ザンザスってあのーー！？」
瞬間、フラッシュバックした争奪戦の記憶に、ツナの悲鳴が轟く。
しかし、今の状況は紛れもなく──この銃こそが元凶だった。
トリガーを半押しした直後、急激に覚えた消耗感。
死ぬ気の炎を込める、というよりも──強制的に奪われるような。
そしてそのエネルギーを放った反動で、私の体が吹っ飛んだ……と。
……
…………
…………ボス、こんなじゃじゃ馬使ってたの！！？
「とりあえず、医務室行かなきゃだな」
「そ、そうだった！リボーン、実戦なんて中止中止！」
「仕方ねーな」
頭上で飛び交う声を聞きながら、必死に意識を繋ぎ止める私。
生命エネルギーである炎を膨大に吸い取られ、もはや気を失う寸前である。
──そうして私は医務室へと運ばれ、今に至るのだった。
「情けねぇ〜……！」
ひとり呻きながら、自由な方の腕で顔面を覆う。
……あれだけ大口叩いといて、自爆とか……
穴があったら入りたいとは、まさにこのことだ。
失態を思い出しては「ぐああ」と悶えるのを繰り返し。
私は深く息を吐いて、点滴に繋がれたもう片方の腕を見やった。
幸い、体力は大分戻ってきている。
……もういいか。いいよな？
あいにく、こんなところでのんびり寝ている場合ではないのだ。
そうと決まれば善は急げと、おもむろに体を起こす。
最後にもう一度だけ誰もいないのを確認して、私は繋がれた針を引き抜いた。
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オウリ(プロフ) - こまりさん» ありがとうございます~！近いうちに続編公開するのでお待ちください！ (6月14日 12時) (
レス) id: df42654abf (このIDを非表示/違反報告)
こまり - 凄く面白いです！続きが気になります…🤔 (6月14日 5時) (レス) id: fd7a7e37b1 (このIDを非表示/違反報告)
七粍(プロフ) - きーち1さん» お返事遅くなりました…！コメントありがとうございます^^*おかわりどうぞ！！！(笑) (2022年3月27日 21時) (レス) id: d69433a459 (このIDを非表示/違反報告)
きーち1(プロフ) - 展開、設定めちゃくちゃ好きです！！ご馳走様です！！続き早く読みたいです！！おかわりください！！！！！ (2022年2月28日 6時) (レス) id: a03c85b354 (このIDを非表示/違反報告)
微々(プロフ) - フランとベルさん» ありがとうございます〜！！^^*私もサクサク更新できるように頑張ります…！ (2021年11月18日 11時) (レス) id: d69433a459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オウリ | 作成日時：2020年11月29日 23時
