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＊
「ガキ扱いして、悪かった」
ポカンとこちらを見上げるAの表情は、やはりまだ子供のそれだった。
──六道骸の情報から、ようやくこいつを見つけた時。
初めに感じたのは“怒り”だった。
追われる姿が、あまりに無防備だったから。
戦場では己の力量を見誤った奴から消えていく。
今のこいつでは、武器を手にしたところで死ぬだけだと。
そう、思ったのだが。
「ったく、無駄な傷作りやがって……」
「ッいでで、ちょ、それやめて」
自らの獲物で傷つけた小さな手のひら。
そこから燃え上がった炎に、オレは不覚にも目を奪われてしまった。
……まさか、10年前のこいつが炎を灯せるとは。
そこで思い出したのだ。
たとえまだ14だろうと──こいつは紛れもなく、Aなのだと。
「つーかお前、何やってんだぁこんな時間に」
「え」
思い出したように尋ねれば、Aはさっきまでの威勢が嘘のように視線を泳がせた。
何かよからぬことでも考えているのかと、眉間にしわを寄せた時。
ぽそぽそと、ささやかな声が聞こえる。
「……いやぁ、ちょっと、ね。探し物」
「あぁ？」
「昔の写真とか、ないかなって……さっき10年前の夢見ちゃってさ。みんなの顔見たら、少しはケジメつけられるかと思って」
オレたちの、夢。
「……ハッ」
「なっ、何笑って……！」
気づけば、わなわなと震える頭に手を伸ばしていた。
「！？ちょ、何すん、」
「やっぱガキだぁ、テメェは」
柔らかい髪を、わしゃわしゃとかき混ぜる。
顔が見たい、なんて。
結局、どれだけ気丈に振る舞ったところで──まだ子供ということだ。
「……オレたちなら、ここにいるだろうがぁ」
始めは喚いていたものの、次第に大人しくなっていったA。
やけに静かだと視線を落とせば、Aはいつの間にかこちらに身体を預けたまま、小さく寝息をたてていた。
……余程張りつめてたか。
あどけない寝顔を、無言のまま見つめる。
「──で。いつまで覗いてやがる、テメェ」
「あら、バレちゃった？」
そう暗闇をひと睨みすれば、扉の影からルッスーリアが顔を出した。
「Aちゃん、なんだか様子がおかしかったから。心配で客間を見に行ったんだけど……余計なお世話だったわね」
「ハッ。ほっとけぇ」
気色の悪い笑みを一瞥し、眠るAを抱えたまま部屋を後にする。
「(……あなたたち、そうしてると──まるで兄妹みたいよ)」
その後ろ姿を眺めながら、ルッスーリアはひとり目を細めた。
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オウリ(プロフ) - こまりさん» ありがとうございます~！近いうちに続編公開するのでお待ちください！ (6月14日 12時) (
レス) id: df42654abf (このIDを非表示/違反報告)
こまり - 凄く面白いです！続きが気になります…🤔 (6月14日 5時) (レス) id: fd7a7e37b1 (このIDを非表示/違反報告)
七粍(プロフ) - きーち1さん» お返事遅くなりました…！コメントありがとうございます^^*おかわりどうぞ！！！(笑) (2022年3月27日 21時) (レス) id: d69433a459 (このIDを非表示/違反報告)
きーち1(プロフ) - 展開、設定めちゃくちゃ好きです！！ご馳走様です！！続き早く読みたいです！！おかわりください！！！！！ (2022年2月28日 6時) (レス) id: a03c85b354 (このIDを非表示/違反報告)
微々(プロフ) - フランとベルさん» ありがとうございます〜！！^^*私もサクサク更新できるように頑張ります…！ (2021年11月18日 11時) (レス) id: d69433a459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オウリ | 作成日時：2020年11月29日 23時
