標的23 ページ23
笑い声が木霊する。
砂のように霧が収束して、三叉の槍を象っていく。
私はそれを手に取った。
「呼ばれて飛び出てクフフフーン、ですよ」
「あっそういうのいらないんで」
すでにギャグ要員になりつつある骸の声がする。
私一人でスクアーロとやり合うなんて、絶対に無理だ。
だから、
「……お願いね」
「仕方ないですね」
ズ、と何かが入り込んでくる感覚。
同時に私の意識だけが押し出される。
「運命共同体、ですから」
「ッ！？」
槍先が、スクアーロの頬を掠めた。
「いッてぇな゛ァ……？」
完全な不意打ちに、その目は殺気に満ちている。
「ち。外しましたか……さすがです」
「う゛お゛ぉぉい！！叩っ斬るぞォ！！」
そう叫ぶと、スクアーロの容赦ない斬撃が始まった。
私はそれを、上空から見つめている。
幽体離脱ってこんな感じなんだろうか。
骸が憑依した私の身体は、飛んだり跳ねたりまるでサーカス団員のようだ。
「この身体で怪我しても、文句言わないで下さいね」
「そしたら幻覚で補ってくれるんでしょ？」
「まあ、そうなんですけ、どッ！」
そう言いながら、立て続けに浴びせられる太刀を躱す。
一応その辺の配慮はあるらしい。
まあスクアーロ相手に無傷で済むとは思ってないし。
「さっきから何ブツブツ言ってやがんだァ！？気ィ抜いてンじゃねえぞォ！！」
「……うるさい鮫だ、」
激しい金属音が鳴り響き、二つの刃が鍔迫り合う。
「う゛お゛ぉい……押し負けてんぞオラァ！」
「ぐッ……この身体で、力比べに勝てるわけがないでしょう……！」
次の瞬間、骸の槍は弾き飛ばされた。
すぐさま再び幻覚で槍を生成する。
「本当やりにくいですねこの身体、少しはトレーニングでもしたらどうです」
「幻覚で筋肉とかつけられない？」
「幻覚をなんだと思ってるんですか！」
骸はなんとか距離をとった。
「それとA、残念なお知らせですが、どうやらここまでのようだ」
「えっっウソ、もう！？」
「今の僕ではせいぜい三分が限界です」
「ウル○ラマンかよ！！？」
直後、引っ張られる感覚がして、気がつくと意識は自分の身体に戻っていた。
「後は自力で頑張ってくださいね」
「この状況でどうしろと！！？」
「大丈夫です。死んでも幻覚でなんとかなります」
「えええウソでしょ戻ってきて骸くん！？ちょっと！？」
骸の声はそれきり途絶えた。
あなたの死ぬ気の炎の属性は……
雷
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佐乃(プロフ) - 白露さん» ありがとうございます！夢主ちゃんの寝床はそのうち出るかもです……笑 (2019年7月27日 20時) (
レス) id: 0f99d84b60 (このIDを非表示/違反報告)
佐乃(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます！ (2019年7月27日 20時) (レス) id: 0f99d84b60 (このIDを非表示/違反報告)
白露(プロフ) - 面白いです。続きが楽しみです。 ヒロインちゃんは結局どこで寝泊まりしてるんだろうw (2019年7月27日 17時) (レス) id: 5376065075 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 物凄く面白いです。 (2019年7月27日 16時) (レス) id: fa117b4385 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐乃 | 作成日時：2019年7月26日 19時
